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指数横ばいでも損? レバレッジ型投信の値動きに迫る QUICK資産運用研究所 清家武

2017/8/2

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 株式市場で、「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」など、値動きが通常の株価指数より大きいレバレッジ型の上場投資信託(ETF)が人気となっている。ハイリスク・ハイリターンの投資商品として認知されつつあるが、ETFとは別にレバレッジがさらに高い投信もある。こうしたブル型・ベア型の投信の値動きは予想以上に大きい。指数の動きが横ばいでも損するケースもあり、注意が必要だ。

 レバレッジ型にはETFと非上場の投信がある。ETFは取引所に上場されており、リアルタイムで売買できる。投信は1日1回決まる基準価格で取引する。一般にETFの方が信託報酬は安いが、投信は少額で購入できるなどのメリットがある。今回取り上げるのはレバレッジ型の投信だ。

 相場の世界で「ブル」は「強気」を、「ベア」は「弱気」を示す。レバレッジ型の投信のうち、対象指数が上がればもうかるファンドを「ブル型ファンド」、下がればもうかるファンドを「ベア型ファンド」と呼ぶ。いずれも株価指数先物を運用資産の数倍規模で買い建てや売り建てして、高いレバレッジを実現する。

 例えば、日経平均株価を対象指数とするレバレッジ2倍のブル型ファンドであれば、日経平均が1日に10%上がると基準価格は20%上昇する。逆に1日に10%下がると基準価格は20%下落するといった具合だ。数千円から投資できるとあって個人投資家が頻繁に売買している。レバレッジはETFは2倍が多いのに対し、ブル型ファンドでは4倍を超えるものもある。

■レバレッジ4倍前後の投信も

 国内にブル型ファンドは13本、ベア型ファンドは11本ある(図表1参照)。以前はレバレッジ2倍のブル・ベア型ファンドが多かったが、ここ数年では、レバレッジ2倍を超えるブル・ベア型ファンドが主流になった。

 ブル型ファンドで最もレバレッジが高いのは「楽天日本株4.3倍ブル」。ベア型ファンドで最もレバレッジが高いのは「SBI 日本株3.7ベア」だ。

 6月の1カ月間、日経平均は1.9%上昇したが、「楽天日本株4.3倍ブル」は8.2%上昇し、「SBI 日本株3.7ベア」は7.9%下落した。

 過去1年では、日経平均の上昇率は28.6%で、「楽天日本株4.3倍ブル」は153.8%上昇し、「SBI 日本株3.7ベア」は71.9%下落した(図表2参照)。

 レバレッジ2倍のファンドでもブル型の「日本トレンド・セレクト ハイパー・ウェイブ」は65.8%上昇し、「ベア2倍日本株ポートフォリオIV」は47.8%下落した。いずれも日経平均を大きく上回る振れ幅となっている。

 ブル・ベア型ファンドは、「日々の値動き」が指数のレバレッジの倍率の値動きになるが、購入時点からの累積騰落率は必ずしもレバレッジの倍率にはならない。この点について個人投資家は誤解しているケースが少なくない。

■レバレッジは日々の値動きに対する倍率

 日経平均を対象指数とするレバレッジ2倍のブル型ファンドを例に説明しよう。2倍というのはあくまで「日経平均に対して日々の基準価格が2倍」という意味で、購入時に対して価格が2倍になるわけではない。例えば、日経平均が1日目、2日目ともに10%上昇した場合、指数の上昇率は「(1.1×1.1)-1×100=+21%」だが、「2倍ブル」では、「(1.2×1.2)-1×100=+44%」になる。2日間で44%のリターンになるわけだ。

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