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国際商品、投資の好機は 「順・逆ザヤ」軸に先物分析 ETFで投資が身近に

2017/8/6

ETFの普及で、商品投資の機会も広がった(アルミニウム地金)

 原油や金といった先物市場で取引される多様な国際商品が、上場投資信託(ETF)や上場投資証券(ETN)の登場で個人にとっても身近な投資対象になった。投資先を株や債券から分散させることで運用収益の変動リスクを抑える効果があり、企業年金の一部も投資をしている。どのような状況なら投資の好機と判断できるのか、先物市場での決済価格同士の比較を軸にまとめてみた。

 国際商品投資の特性は、伝統的な運用資産の株式や債券と比べ値動きの関連性が低く、収益を増やす機会が広がる点にある。商品投資が日本以上に活発な米国では、ペンシルベニア大に在籍していたゲーリー・ゴートン教授らが2004年にまとめた研究成果でも裏付けられている。

 1959年から04年までの間で、商品と他の投資先の値動きの相関係数(プラス1は値動きが一致し、マイナス1に近いほど正反対に動く)をみると、株に対しては5年平均でマイナス0.42。債券でもマイナス0.25という結果だった。値動きの方向性が違う資産に分散投資をすれば全体の損益が一方向に過度に振れることを防ぐことができ、資産の目減りリスクを和らげることにもつながる。

 かつては、商品投資の手段は証拠金の数十倍もの金額を運用する先物市場での取引にほぼ限定されていた。2000年代半ばには、損失の想定以上の拡大リスクを抑えた商品が開発された。原油や金を投資対象に組み込み、原則としてこれらの価格に連動するように運用するETFやETNが相次いで登場した。

■少額での購入可能

 個人は先物に直接投資する場合に比べて少額で購入でき、価格の乱高下による影響も緩和される。現在、東京証券取引所では34本の国際商品関連のETFやETNが上場している。

 先物市場での運用も、ETF経由での投資でも、国際商品そのものの値動きが収益に直結する点は共通する。価格動向のカギを握る需要と供給の現状や予測は、新聞でのニュースや業界団体の公表データ、アナリストリポートなどで情報収集ができる。

 このほか先物市場で、決済期限(限月)が近い価格(期近価格)が、期限が遠い価格(期先価格)よりも高いか安いか、という点に注目する分析も、意外に簡単だが重要な判断方法として長らく利用されている。期近が期先を下回れば順ザヤ、上回れば逆ザヤという。

 穀物などの商品は保管のための倉庫代や金利がかかる。決済期限が先になるほど、短い期限の価格に比べて高くなることが一般的だ。つまり順ザヤの状態にある。

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