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私のアドバイス、実は「余計なお世話?」 確認方法は

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日経ウーマンオンライン

「1万時間の法則」という言葉を聞いたことがありますか? アメリカのベストセラー作家マルコム・グラッドウェル氏が著書「天才! 成功する人々の法則」(講談社)にて提唱した考えで、1万時間が「その道のプロ」と言われるために費やされる時間の目安だそうです。

1万時間とまではいかないまでも、数カ月~数年の間興味を持って費やし、少しでも結果を出せたことについては、自分なりの意見や「こうしたほうがいい」というものが出来上がりますよね。そうやってできた価値観を周囲に伝えるとき、「押しつけ」「余計なお世話」と思われるか「役に立つアドバイスをありがとう」と喜ばれるかには微妙なラインがあるのではないかと感じています。

私たちは特に、自分が頑張って結果が出始めたこと(例えばダイエットや禁煙など、習慣にまつわることや、趣味で得た知識)について、喜々としてアドバイスをしたくなるものです。しかし、コミュニケーションの基本は、あくまでもキャッチボール。キャッチボールを間違えると、ちょっと微妙な空気になることも。

最近聞いた「余計なお世話」発言の数々

例えば、こんな「やや上から」アドバイスにイラッとするのは、けっこうよくある話だと思いませんか?(カッコの中は、言われた人の心の声を代弁しました)

・低糖質ダイエットに成功した人が、ディナーの席でおいしく食べている人たちの前で「私はフライの衣は糖質が高いから食べないようにしている」などと言ってしまう(別に宣言しないで黙ってやればいいのに)

・早起きを頑張りたい!とSNSで宣言をした人に向かって「早起きしても、それで睡眠時間が削られたら生産性が下がっちゃうよ」と助言してしまう(確かに大変かもしれないし、それは事実だけど、ただ決意を頑張って、と励ましてほしかったのに)

・派手な柄物のワンピースを気に入ってよく着ている人に向かって「○○ちゃんは絶対柄物じゃなくて、シックな色の単色ワンピースが似合うよ」と言ってしまう(別にあなたにアドバイス求めた覚えはないし、自分が気に入っているのをとやかく言われたせいで、そのワンピースを着るたびに思い出して不快になるんですけど……)

正しい知識やよかれと思った意見を伝えることだけがコミュニケーションではありません。相手も自分も気分よく、気持ちを通じ合わせるのがコミュニケーションです。特に不特定多数が見ているSNSや、初対面の人たちが集うパーティーなど、あなた自身のことを深く知らない場所での振る舞いで「アイタタタ」「え? そこでそれを言う?」と思ってしまう例が残念ながらよくあるなあと感じています。

もちろん、親しい友人や家族など、気の置けない関係の人には正直に思ったことを伝えてもよい場合もあるでしょう。でも親しき仲にも礼儀あり。身近だからこそグサグサと人を傷つけていたりするので、特に対外的には人当たりがよいことで通っている人こそ、気を付けるべきかもしれません。(私も「甘がみのつもりが相手を血だらけにしているライオン」と言われたこともあるので、本当に気を付けています……)

身近な人にも、そうでない人にも通用する、「こうしたほうがよい」の伝え方についてお伝えします。

アドバイスは求めている人にだけするようにしよう

実は、ルールは極めてシンプルです。

1.アドバイスをくれ、と言われたらアドバイスする。アドバイスを求めていない場合は何も言わない

2.「こうしたらいいのに」のモヤモヤは、一般化して文章にして発信し昇華させる

順番に説明しましょう。

私たちは自信があることや勉強して得た知識に対しては、「ああしたほうがいいのに」「こうしたほうがいいのに」と、心の中で、やや上から目線でいろいろ言いたがります。

例えば私の場合、資料作成やプレゼンを教えていて「発信」に興味があり過ぎるので、1日中そのことばかり考えてしまうこともあります。先日は、自宅の外壁を塗り直すために塗装工事の業者さんがいらっしゃり、業者さんがどうやって見積もりの説明をするのかを思わず観察・分析していました。「私だったら松竹梅、三つの額の見積書を持ってくるけど、この人は二つだったな。どっちの見積もりを選ぶと思って持ってきたのかな」とか、「最初に料金のぶっちゃけ話をする前に、いかに自社の仕事が丁寧で追加費用が工数上欠かせないかを最初に言ってくれたから、予算より高かったけど納得感があったな。すごいな」というふうにです。

もちろん、相手は自分の職業について知らないわけですし、本題と関係がない話ですから、業者さんにわざわざそんな感想などは口に出しません。普通考えれば当たり前のことですが、SNS上や、気を許している仲間には、わざわざ普段は言わないことを言ってしまうものです。

あくまでも、アドバイスは求められたときだけするようにしましょう。求められてもいないのにアドバイスをすると、よかれと思ってしたことを「余計なお世話」と誤解されるのでもったいないです。

蛇足ですが、アドバイスを求める側として気を付けるべきこともお伝えしておきます。その道のプロ(それを職業としている方)に、無料でアドバイスを求めるのは、プロとして誇りを持って身に付けた知識を「タダのようなもの」だと判断していると思われて失礼に当たりますので気を付けてくださいね。

「こうすべき」のモヤモヤにあなたらしさが隠れている

「こうすればいいのに」の思いを相手に伝えるべきではない、という話をした上で次のようなことを言うと一見矛盾していると思われるかもしれませんが、「自分だったらこうするのに!」という職業病からくる叫びや、自分が苦労して成し遂げたからこそ分かる「こうなっていないのが残念」「もったいない!」と思うことをやめろ、ということではありません。そのような強い思いにこそ、あなたらしさが隠れているからです。その視点はぜひ、大切にしていただきたいものです。

今まで数十年生きてきた経験を掛け合わせ、あなたの「あり方」「信念」「経験」がブレンドされて染み出してくるものは、あなただけの「だし」のようなものです。

私が「発信力」をテーマにした連載ができているのは、発信力に自信がもてなかったから、できる人だな、すてきだな、と思った人をたくさん研究して、実践してきたり、自分で試しては失敗してきたりしたお陰です。「アイタタタ」な人に過去のダメダメだった自分を投影してしまい、つい目についてしまうから、あえて厳しい視点でツッコミができて、修正すべき箇所も挙げることができるわけです。

恥ずかしくて穴に入りたいような経験をしながら「こういうときは言うべきではないのだ」と、心から気付いて学び成長してきたことは、今思えば、自分だけのよい「だし」になったのではないかと思います。

つまり、「こうしたらいいのに!」のモヤモヤを無理矢理押さえつける必要はありません。言うタイミングと場所に気を付ければよいだけです。

では、どう発散して昇華させればよいでしょうか。私は次の方法を提案します。

「こうしたらいいのに」は一般化して反応を見てみよう

今は、あなたが有名であろうとなかろうと、発する言葉が相手に伝わり、相手の琴線に触れたとき、思いは加速度的に拡散していく時代です。SNSで話題になった、ちょっとした4コママンガが拡散された結果、本になり作家デビューという例も、今では夢物語でなくなりました。

「こうすればいいのに!」「こうしたほうがいい!」という強い思いを、相手に直接言えずにモヤモヤしてきたら、ぜひ、文章やイラストなどで表現してSNSなどで発信してみましょう。もちろん、個人が特定できる形で自分のストレス発散のためだけに書くというのはおすすめしませんが、自分がモヤモヤしたエピソードを一般化して「あるある」と納得してもらえるような形で文章にできたとき、あなたならではの視点を「面白い」と思ってくれる人は必ずいます。また、「いいね」の数などの反応を確認することで、自分の考えがどう受け止められているかも客観的に知ることもでき、文章力、表現力も向上できるので一石二鳥です。

コツコツと発信を続けていくうちに、あなたのその視点が面白い、アドバイスをください、と声が掛かるようになります。そうなったらしめたもの。「余計なお世話」なんて誰にも言わせず、堂々と相手にアドバイスができるようになってきます。

あなたならではの「だし」は、「だし」として発散する場所を作りつつ、面と向かっては言わずにネタをストックしていきましょう。このような使い分けができるとラクになりますよ。お試しください。

池田千恵
 株式会社 朝6時 代表取締役。慶應義塾大学総合政策学部卒業。外食企業、外資系戦略コンサルティング会社を経て現職。企業や官公庁、個人に向け、図を活用したプレゼンテーション資料作成術、企画書作成術や会議進行術など、「伝わる」コミュニケーション全般について指南。女性のキャリア形成、ダイバーシティなどをテーマに講演、著述活動も行う。『絶対! 伝わる図解』(朝日新聞出版)、『描いて共有! チーム・プレゼン会議術』(日経BP社)などプレゼン・図解に関する著書多数。最新刊は『朝の余白で人生を変える 』(ディスカヴァー21)。

[nikkei WOMAN Online 2017年7月3日付記事を再構成]

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