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ブツブツ見ると気持ち悪い? トライポフォビアに新説

日経ナショナル ジオグラフィック社

2017/8/5

ナショナルジオグラフィック日本版

熟したハスの花床と熟していないハスの花床。トライポフォビアのコミュニティーでは、ハスの画像がよく共有されている。(PHOTOGRAPH BY GEORGE GRALL, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)

 小さな穴の集合体を恐れるトライポフォビアの原因に関する新たな仮説が提示された。

 言葉自体は聞いたことがない人もいるだろう。だが、トライポフォビアはインターネットで最も話題にのぼる恐怖症の一つかもしれない。ギリシャ語で「穴掘り」を意味する「トライポ」と、「恐怖症」を意味する「フォビア」を掛け合わせた造語で、小さな穴や斑点などの集合体に対する恐怖を意味する。

 この言葉が米国で広まり始めたのは2009年。米ニューヨーク州立大学オールバニ校の学生が、この恐怖症であるかどうかを自己診断できるFacebookページをつくったことがきっかけだった。それ以降、トライポフォビアへの関心はうなぎのぼりに高まっている。

 ソーシャルニュースサイトRedditのオンラインフォーラムやInstagram、Facebookでは、多くの人が同様の症状を訴える一方で、こうした人々が恐怖を抱くような画像が投稿されている。

 (筆者がTwitterにハスの花床の画像を投稿したときは、どうしてこれが嫌なのかわからないという人から、削除してほしいと求めてくる人まで、反応はさまざまだった)

 米精神医学会はトライポフォビアの存在を認めていない。専門家の間では意見が割れており、本物の恐怖症ではなく特異体質あるいは異常行動だと言われることも多い。ほとんどの人が自己診断で、症状も軽い不快感から吐き気までと幅がある。

 2013年、「Fear of Holes(穴への恐怖)」というシンプルなタイトルの論文が発表された。英エセックス大学の2人の研究者が初めて、この奇妙な恐怖症を学問的に解明しようと試みたのだ。研究の対象となった成人286人のうち、16%が小さな穴の集合体に直感的な嫌悪を抱いているとわかった。研究チームはこの結果を受け、クモやヘビ、サソリなど、人の命を奪う可能性がある動物の一部は同じような模様を持つため、こうした嫌悪感は進化の過程で起きた適応ではないかという説を提唱した。

 その一方で、2017年7月6日付の科学誌「Cognition and Emotion」に英ケント大学のチームが発表した最新の論文では、別の仮説が提示されている。

 「嫌悪感は感染症や病原体の回避に役立つことがよく知られています」と論文を執筆したトム・カプファー氏は話す。「こうした画像に対する人々の反応も、病気を回避する反応と考えることができます」

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