「飲酒量と依存症の関係」について、酒ジャーナリストの葉石かおりが、成増厚生病院・東京アルコール医療総合センター長の垣渕洋一さんに取材してお届けしているシリーズの2回目。前回記事「『私とお酒どっちが大事?』 酒と答える依存症の末路」を読んで、酒量の多い人で、「果たして自分は大丈夫なのか」と不安に思った人は多いだろう。そこで今回は、アルコール依存症や予備群の心配があるかどうかを簡単に確認できるテストと、飲酒量を減らすためのノウハウについて紹介する。
◇ ◇ ◇
飲酒習慣スクリーニングテスト(AUDIT)で確認できる
「まずは、WHOが掲げるAUDIT(オーディット:飲酒習慣スクリーニングテスト)か、久里浜医療センターのKAST(久里浜式アルコール依存症スクリーニングテスト)を行いましょう。診断はできませんが、飲酒問題の程度が分かります」(垣渕さん)。AUDITは厚生労働省や大手酒造メーカーのサイトなどでも公開されており、簡単に試すことができる。
ということで早速、筆者もやってみた。質問は全部で10個。過去1年までを対象に、普段の飲酒状況に答えるだけで数分で結果が出る。私の結果は7点。思ったよりも低かったが、果たして……。
「あくまでも目安ですが、9点以下はローリスク、10~19点はハイリスク(=予備群)、20点以上はアルコール依存症を疑う、という判断となります」(垣渕さん)
飲酒量を減らすためには、まず「飲酒量の見える化」を
悲しい結末を迎えないためにも、予備群に該当する人は、それより上に行かないために、そしてできることなら飲酒量を減らして、ローリスク群に入れるようにケアしておかねばならない。では、具体的にどうすればいいのだろうか、垣渕さんに聞いてみた。