家計

人生を変えるマネーハック

結局は無駄遣い 「快楽出費」の誘惑を断つには 趣味とバカンスをマネーハック(5)

2017/7/31

PIXTA

 今月のマネーハックは「趣味とバカンス」について考えてきました。趣味にしろバカンスにしろ、これまでは肯定的に捉えてきましたが、最後は「これは正当化できない」という話をします。それは出費そのものが目的になっている場合です。

 趣味の話をしていると、時折出合うパターンに、「趣味は買い物なんですよー」というものがあります。

 話を聞くと「商品に一目ぼれしての衝動買い」や「頑張った自分へのご褒美出費」で買い物している人がほとんどです。

■一瞬の快楽を得るためだけはNG

 趣味への出費を肯定している私といえども、これはお勧めできるものではありません。なぜなら、こういう人たちのお金の使い方には「満足感」が伴っていないからです。

 こういう買い物は、現金を払ったり、クレジットカードを切ったりしたときの「高額のお金を払ったという一種の優越感」を得るのが目的になっています。あるいは店員さんに頭を下げてもらい早口で「ありあとあしたー(ありがとうございましたー)」といわれるときの「お大尽気分」を味わうためにお金を払っているのです。

 いずれも一瞬の快楽を得るためだけのものなので、本当の意味での満足度の高い買い物になるはずがありません。かくて衝動買いやご褒美出費の多くは無駄遣いに終わり、服であればタンスの肥やしとなるわけです。

■最悪は「衝動買い+借金」

 最悪なのは、衝動買いのうえキャッシュを用意していない(あるいはクレジットカードで一括払いできない)ケースです。

 3回以上の分割払いを選択すれば返済回数に応じて金利が生じます。とりわけ、リボルビング払い(リボ払い)には注意が必要です。毎月の返済が一定額のため、一見すると便利な仕組みですが、実際には借金額がなかなか減らず、いつまでも利息を払い続けなければなりません。

 どうしても必要な商品をやむを得ず借金して買うことはギリギリ正当化できますが、買ってすぐ飽きてしまうような商品にキャッシュの手当てもせず、衝動的にお金を使うことほど不毛なものはありません。

■ご褒美出費はあくまでも賢く

 とはいえ、私はご褒美出費を全否定しているわけではありません。むしろあっていい、と思います。ただし、ご褒美出費のコストパフォーマンス(コスパ)を意識的に高め、かけたお金以上の満足をしっかり獲得できた場合です。

 できれば、何カ月か「お預け」の期間を設けて自分をじらせるだけじらしてください。ご褒美出費の満足度はもっと高まります。「あの仕事が山を越えたら買う」というようなご褒美出費は賢いやり方です。「すぐ買わない」というただそれだけで、ご褒美出費のコスパは見違えるように高まるはずです。予算も毎月積み立てて確保するともっといいでしょう。お金に余裕がない場合は、ボーナスが出るまで我慢しましょう。

 よって衝動買いは避けるべきです。衝動買いの多くは無駄な出費です。どうしても買いたい場合は、一度お店を出てください。それから喫茶店に入り、カフェラテでも頼んで頭を冷やす時間をつくりましょう。1万円の衝動買いを避けられるなら、カフェラテ1杯は安いものです。

■生きがいを感じるための出費に

 これまでも述べてきましたが、趣味や教養・娯楽費は家計にとって無駄ではなく、むしろ生きがいや働きがいを感じるための必要な出費だというのが私の考えです。だとすれば、単に削ればいいというものではないはずです。もちろん無制限の予算は認められませんから、適切な支出を心がけましょう。

 趣味やバカンスの予算は、家計を圧迫せず、長期的にも資産形成の余力を残しつつ(それは将来の趣味についての予算確保の意味合いも含めて)、確保していきましょう。

 趣味は少ない予算でも高額の予算でも、かけたお金以上のコスパを発揮することが重要です。それはきっと家計にもマイナスにならず、あなたの人生を豊かにする存在になってくれるはずです。

マネーハックとは ハックは「術」の意味で、「マネー」と「ライフハック」を合わせた造語。ライフハックはIT(情報技術)スキルを使って仕事を効率よくこなすちょっとしたコツを指し、2004年に米国のテクニカルライターが考案した言葉とされる。マネーハックはライフハックの手法を、マネーの世界に応用して人生を豊かにしようというノウハウや知恵のこと。
山崎俊輔
 AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に『誰でもできる 確定拠出年金投資術』(ポプラ新書)など。http://financialwisdom.jp

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