旅行やレジャーに 夏に手放せないiPhoneアプリ5選
夏はレジャーに出かけたり、海外旅行に出かけたりする人も多いだろう。少しでも楽しく、快適に過ごすために、アプリを活用しない手はない。数あるiPhone用アプリの中から、戸田覚氏が「夏にこそ役に立つ」と考えるアプリを紹介する。
(1)釣り師定番の天気アプリ「tenki.jp」
僕は釣りが趣味だ。釣果に影響するので、釣り師はとにかく天気を気にする。そんな釣り師たちの間で評判が良いのが、日本気象協会の公式アプリ「tenki.jp」だ。釣り師でなくても、夕立やゲリラ豪雨など、変わりやすい夏の天気に備える上で役に立つだろう。
無料で利用できる上に、表示がシンプルでサクサク動く。広告が表示されるが、スクロールしなければ分からない位置なので、ほとんど気にならない。
tenki.jpで最も重宝するのが、1時間ごとの天気予報が分かるところ。しかも、気温のグラフも表示される。1時間予報と気温グラフが一画面で見られるアプリは意外に少ないのだ。
また、現時刻の前後60分の雲の動きをチェックできる「レーダー」も役に立つ。ベテランの釣り師ともなれば、雨が降ってきそうなことは、雨雲と体感でかなり正確に分かるのだが、降り始めた雨がどれくらい続くのかまでは分からない。しかし、レーダーで雲の形や大きさ、動く速さをチェックすれば、おおよその見当を付けられるのだ。
エリアは10カ所まで登録できるので、旅行に行くときなどは立ち寄り先を登録しておくといい。また、「お役立ち情報」として「体感温度」や「熱中症」「花粉」「凍結」といった各種の指数を最大5件まで登録しておけるので、夏以外の季節にも役立つ。
(2)近くのカフェを発見「Pathee」
気温が35度を超えるような時間帯は、外出しないに越したことはない。とはいえ、仕事もあるし、旅行先では外を歩かないわけにはいかない。猛暑のダメージを避けるには、とにかく移動距離を短くし、コンビニやカフェなどで時々休憩したい。
店を探すときは「Googleマップ」で検索するのが王道だが、「Pathee」をインストールしておくと、現在地周辺の店を手っ取り早く探せる。しかも、電源が使えるカフェなど、Googleマップでは検索しづらい店を調べることもできるのだ。「カフェ」「カフェ 電源」「コンビニ」「トイレ」「ATM」「避難場所」など、よく使いそうなキーワードはあらかじめ登録されているのも気が利いている。
目的地を見つけたら、そのままルートを検索してナビゲーションモードに移行する。ナビゲーションも「徒歩」に限定されているので、非常に分かりやすい。画面に表示される矢印の方向に向かって歩いていけばいいのだ。
Googleマップにもナビ機能はあるが、徒歩圏内で行ける場所を探すなら、シンプルさ、手っ取り早さでPatheeに軍配を上げたい。移動中にテキストを入力することなく、片手でサッと店を探せる。外出時には必携の1本だ。
(3)片手で通貨換算「Elk」
夏休みには、海外旅行に出かける人もいるだろう。海外では通貨換算アプリが必携だ。この夏、僕がお薦めするのが「Elk」というアプリ。480円と高いのだが、14日間は無料で試用できるので、旅行の直前にインストールするのも"アリ"だ。
このアプリがとにかく優れているのが金額の表示方法だ。起動すると「10、20、30……」といった具合に数字が縦に並ぶ。画面を左にスワイプすると桁が上がり「1000、2000、3000……」となる。また、数値をタップすると「2100、2200、2300……」のように1桁下の単位で表示される。片手の操作でいろいろな換算結果を確認できるのがうれしいところだ。
実は、このアプリには、「120ドル」「1200ドル」という指定はできるが、それより細かな「125ドル」「1250ドル」といった金額を指定できない弱点がある(上から2桁までしか指定できない)。だが、Apple Watchを持っていれば、その欠点も解消できる。このアプリをApple Watchで使う場合は、左右のスワイプで桁を変更した後、デジタルクラウン(竜頭)を回して細かい金額を設定できるのだ。通貨の設定などはiPhoneの情報がそのまま反映されるので、設定の手間が掛からないのもいい。「カスタムレート」を設定すれば、為替手数料込みの計算も可能だ。
(4)合計額の計算も「Go! 通貨換算ツール」
同じ通貨換算アプリでもう1本、「Go! 通貨換算ツール」も紹介しておこう。Apple Watchを使っていないユーザーにはこちらがお薦めだ。通貨換算ツールと電卓を兼ねているので、お土産などを買う際にはとても重宝する。
Go! 通貨換算ツールは基本機能は無料だが、360円の課金で全機能が使えるようになり、為替手数料を含めたオリジナルレートの設定が可能になる。通貨換算アプリは数多くあるが、本当に"使える"アプリの多くは有料だ。僕としては、オリジナルレートが設定できないと意味がないと思っている。ぜひ有料版を使ってみてほしい。
(5)翻訳アプリは「Microsoft Translator」
僕の場合、海外旅行に出かけると翻訳アプリが大活躍する。中国や台湾に旅行したとき、現地のお店の人が翻訳アプリで商品を紹介してくれたことがあり、世界的に普及し始めたと実感している。
翻訳アプリといえば「Google翻訳」がメジャーだが、僕の好みは「Microsoft Translator」だ。1台の端末を使って2人がリアルタイムで会話ができるようになっている。しかも、文字が大きく表示されるので薄暗いタクシーの車内などでも、読みやすいのがいいところだ。
画面を上下に分けて、自分と相手それぞれが翻訳機能を使える。それぞれがマイクボタンを押して話しかけ、翻訳しながら会話ができる仕組みだ。相手にも使ってもらうことで、簡単な会話は成立する。翻訳の速度や精度は、Google翻訳とそれほど差はないと思う。
Microsoft TranslatorはApple Watchにも対応しているほか、ウェブサイトの翻訳もできるので、現地で情報収集にも役立つ。また、カメラで撮影した文字を翻訳する機能も搭載しているので、お店の看板やメニューが読めないというときに便利だ。
1963年生まれのビジネス書作家。著書は120冊以上に上る。パソコンなどのデジタル製品にも造詣が深く、多数の連載記事も持つ。ユーザー視点の辛口評価が好評。近著に、『ここで差がつく! 仕事がデキる人の最速パソコン仕事術』(インプレス)がある。
[日経トレンディネット 2017年7月13日付の記事を再構成]
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