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ロケット、重いのになぜ高く飛べるの?

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NIKKEI STYLE

スーちゃん最近、ロケットがよく打ち上がっているね。7月末には北海道で実験があるって聞いたよ。宇宙は地球からずいぶん遠いけど、そんな高いところまで重いロケットの機体はいったいどうやって飛んでいくんだろう。

燃料を燃やしてガスを勢いよく出すんだ

森羅万象博士よりロケットが飛んでいく映像をみたことはあるかな。煙をたくさん出して、おしりから火を噴きながら上がっていくイメージがあるね。これはゴム風船がしぼみながら飛んでいくのと同じ仕組みなんだよ。ゴム風船をいっぱいにふくらませて、手を離してみよう。空気を吹き出す方向とは反対方向に飛んでいくね。このとき、吹き出した空気が風船を反対方向に飛ばす力を「推力(すいりょく)」と呼ぶよ。

ロケットにも、おしりにガスの吹き出し口があるんだ。ロケットのエンジンで燃料を燃やしてガスを大量につくるんだ。ガスをおしりから吹き出しながら前に進むよ。

このとき、燃料を燃やす部屋を「燃焼室」、ガスを吹き出す口を「ノズル」というよ。ノズルの口を小さくするほど勢いよくガスが吹き出して、推力は大きくなるんだよ。

ロケットが力強く飛ぶためには、推力は大きくないといけないんだ。ロケット自身が地面から持ち上がるには、ロケットの重さよりも大きな推力が必要なんだよ。風船は軽いから小さな推力でも前に飛ぶけど、ロケットはとても重いから、推力も大きい力が必要になるんだね。

もともと推力は、1秒間でノズルから吹き出すガスの「質量」と、ガスが吹き出す「速さ」を掛け合わせて示すんだ。つまり、ロケットの推力を大きくするには、1秒間に吹き出すガスの量を増やすか、ノズルから吹き出すガスの速さを速くするかの2つの方法があるよ。

7月末に打ち上げるインターステラテクノロジズという会社は、約1トンのロケットを打ち上げる計画だよ。日本には国が用意したロケットしかなかった。普通の会社が自分で打ち上げたら驚きだよ。

1トンのロケットだと、1トンに相当する推力では持ち上がらない。1トンより大きな推力を出せるエンジンの開発をしてきたよ。実際には燃料を減らしながらガスを作るから、ロケットの重さが1トンよりも軽くなる。1トン以上の推力を生み出せばロケットは持ち上がるんだ。日本のロケットには「H2A」や「H2B」がある。主力の「H2A」は重さが300トン近くあるよ。

でも宇宙にいくロケットは、どうやってガスを作るのだろう。地上では酸素を取り込んで燃料を燃やせばいい。宇宙空間にいくと酸素がなくなって燃料を燃やせなくなっちゃうよね。

だからロケットにはあらかじめ、酸素を詰め込んでおくんだ。これを「酸化剤(さんかざい)」と呼ぶよ。推力を生み出すために使う燃料と酸化剤をまとめて「推進剤(すいしんざい)」と呼んでいるよ。

ロケットを遠くまで飛ばす工夫は燃料だけではないよ。ロケットを軽くする方法もあるんだ。ロケットに使う金属などをもっと軽い材料に変えたり、部品の厚さを薄くしたりしようと努力しているよ。

ただロケットに使う金属などの材料の重さは、ロケット全体の1割にも満たないんだ。ロケットによってばらつきはあるけど、だいたい重さの9割は推進剤だといわれるよ。

材料を軽くしても、全体ではほとんど軽くならないね。ノズルの吹き出し口や、より多くのガスを生み出すためのエンジンの仕組みを改善することが重要だそうだよ。

日本はいま、新しいロケットを開発中だよ。2020年のデビューが目標だ。新しいエンジンはより多くのガスを速く吹き出す仕組みを考えているよ。

「H2A」や「H2B」は、鹿児島県の種子島から、たくさんの衛星を打ち上げてきたよ。新しいロケットは「H3」という。この春から、実際の大きさでつくったエンジンを使い、設計どおりにたくさんの燃料が効率よく燃えるか確かめているんだ。

ロケットは発射台から飛んでいくよ。推進剤を使い切ると、空っぽのタンクを上空で切り離し、身軽になっていくんだ。こうして地球から宇宙空間に飛び出していくよ。

推進剤は液体と固体の2種類



博士からひとことロケットの推進剤は、液体と固体がある。日本の主力ロケット「H2A」や「H2B」は液体を使う「液体燃料ロケット」だ。燃料として液体水素を、燃焼させるための酸化剤として液体酸素を採用している。推進剤の性能を示す「比推力」が高く、各国で採用されている。
 比推力は推力を1秒間の推進剤の消費量で割った値で示す。液体水素、酸素の場合で400秒。燃焼してできたガスの噴射速度は秒速4000メートルと、少ない燃料で大きな推力を生み出せる。燃焼を中断したり再着火したりして姿勢を制御する。ただ液体水素や酸素は蒸発しやすいのが難点。打ち上げの寸前に入れる必要がある。
 固体燃料を使うロケットもある。燃料と酸化剤を練り混ぜる。いったん火をつけると燃焼し終えるまで止められない点が液体に劣るが、燃料を長期間入れたままにできる。日本では小型ロケット「イプシロン」がある。

(宇宙航空研究開発機構=JAXA、三菱重工業に取材しました)

[日本経済新聞夕刊2017年7月22日付]

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