仕事のストレス減らす クイック・アンド・ダーティー

日経Gooday

完璧を求めすぎてスピードを犠牲にしないように(c)studiostoks-123rf
完璧を求めすぎてスピードを犠牲にしないように(c)studiostoks-123rf
日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス

「人事異動で、これまでとは全く違う種類の業務を担当することになったが、ミスをしてはいけないと思うと、一つひとつの仕事に時間がかかってしまう。同僚や上司も忙しそうで、なかなか相談できずにいたところ、期日に間に合わず部署に迷惑をかけてしまった。どうしたら効率良く仕事をこなせるようになるだろう」。これは、教育関連企業に勤務するSさん(33歳)の悩みです。効率良く仕事をこなし仕事ストレスを減らすコツについて、帝京平成大学現代ライフ学部教授の渡部卓さんに伺いました。

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人事異動や就職・転職などで新しい職場に配属されたときは、仕事に慣れるまである程度の時間がかかり、業務の進め方やコミュニケーションに不安を感じる場面も多いかもしれません。しかし、それを1人で抱えてしまっては、仕事が一向にはかどらないばかりか、時にはトラブルやメンタル不調につながることもあります。

日本人は苦手?「完璧じゃなくても早く」という仕事の進め方

仕事のミスはできる限りしないほうがいいことは確かです。とはいえ、気負いすぎると、完璧を目指すあまり、逆にムダや非効率が生まれますし、精神的に追いつめられてしまうこともあるでしょう。

私が外資系企業に勤務していた当時、仕事には常に「Quick and Dirty(クイック&ダーティー)」が求められました。これは以前の記事(「休みベタな管理職ほどしっかり休む ヒントは4つのR」」参照)でも触れていますが、「完璧じゃなくてもいいから、早く」といった意味で、「スピード重視で、足りない点はその都度改善していけばいい」という考え方です。

日本人はもともと真面目で几帳面な傾向があり、修正を良しとしない雰囲気のある職場も少なくないでしょう。私自身もクイック&ダーティーの考え方を知った当初は、「早く仕上げることが最優先。そのためには、少しくらい雑になっても仕方がない」というように、妥協的な意味合いで捉えていました。しかし、実際にクイック&ダーティーを心がけてみると、この言葉は極めて前向きな姿勢を表していることに気が付きました。多少のミスがあったとしても、早く仕上げれば改善する余地がありますし、上司の意見なども反映して、よりブラッシュアップできる可能性もあるのです。

職場の慣習や、業務の進め方が複雑化していることが要因で、個々の仕事に時間がかかってしまう場合もあるでしょう。一般社員がそうした慣習やルールをいきなり変えることは難しいかもしれませんが、ルールに沿って仕事を進めながらも、その作業の意義を俯瞰(ふかん)してみて、本当に重要なことは何か、複雑なルールをシンプルに整理できないか、自分なりに見極めていくことが必要だと思います。

参考になるのは、企業会計における「重要性の原則」と呼ばれる考え方です。これは、簡単に言うと、「重要性の低い取引に関しては、簡便な会計処理が認められる」というものです。

企業会計の目的は財務内容を明確に示すことにありますが、すべての取引に関して詳細な会計処理を行うと、重要性の高い会計情報がそうでない情報に埋もれてしまう可能性があります。そこで、重要性の低い取引については簡便な処理が認められる一方で、重要性の高い取引については、詳細な会計情報が求められるのです。私は日頃の業務においても、この重要性の原則が生かされるべきだと考えています。

■積極的な「ホウレンソウ」で気楽にやろ

仕事を効率良く進めるためには、自分だけで抱え込まずに、まめに上司やチームのメンバーなどにも進捗状況を報告し、判断に迷ったり、困ったりしたときには、相談することも大切です。

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