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ワークスアプリケーションズの牧野正幸CEO

ワークスアプリケーションズの牧野正幸CEO

創業するとき、第一の関門は人材だった――。創業から5年でジャスダックに上場したワークスアプリケーションズ。創業時3人だった会社は、約6000人の企業に成長した。起業ブームが高まる今、牧野正幸最高経営責任者(CEO)は、21年前の創業当時に直面した困難を振り返る。「創業時も今も代表は3人体制。1人でも欠けたら、1年たたずにこの会社は解散していた」という牧野氏に、スタートアップを支え、企業を存続させるメンバーの見つけ方を聞いた。

システム開発、「自前」は無理と思ったが…

実は、私は起業したくありませんでした。そもそも、私の強い問題意識は「日本の労働環境や慣習に合う統合基幹業務システム(ERP)ソフトが絶対に必要だ」ということでした。システムをつくるのは、資金も人材も豊富にある大きな企業にまかせるとして、私はそのビジネスを手伝いたいと思っていたのです。

ERPの開発には非常に大きなコストがかかります。ERPとは、会社のヒト・モノ・カネを処理する上で発生する煩雑なやりとりを一括で管理するシステムです。人事の分野だけでも、辞令・給与・勤怠管理など大小様々な機能が必要ですし、経理や営業関連も同様です。その会社の業務に合わせて何万もの機能を盛り込む必要があります。よいアイデアを持つ技術者が1人いればできるというものではありません。それで開発費が膨らむのです。

当時、ERP導入の選択肢は2つでした。その会社の制度に合わせてゼロからつくるか、独SAPや米オラクルなどの海外の製品を改造するかです。どちらにしても多額の費用がかかります。日本の働き方にあっていて、どの会社も導入したらすぐに使えるような汎用性のある製品へのニーズは高まっていたのです。ただ、その開発には数十億円はかかるだろうと見込んでいました。自分でやるのは無理だと思い、大手のIT(情報技術)ベンダー数社に声をかけたのです。

「既存ビジネス壊す」 反対され頓挫

当時、この市場は日立ソリューションズ、NEC、富士通、日本IBM、NTTデータの5社で、大企業からの受注の大半を占めていました。ほかの企業は営業力が弱かったので、新製品を売れるのは、大手5社にほぼ限られていました。

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