また、たとえばITや金融といった業種、企画やマーケティング部門などは首都圏に一極集中しやすく、地域によって求人の存在自体に大きな偏りがあります。生産性が高く、比較的高賃金なそれらの職種が偏在することによって、「業種、職種、地域」の3つの格差は連動性が高まっています。それは、「高年収求人の首都圏一極集中化」とでもいうべき状況を引き起こしています。

さらに、前回の記事「年収が… 人手不足でも広がる『40歳からの転職格差』」でお伝えした通り、「年齢格差」は人手不足であっても厳然と存在しているので、ミドル世代は転職後の増収を楽観視できる状況ではありません。また、景気は必ず循環するので、いま現在が人手不足だからといって、いつまでもその状況が続くことは決してありません。

クラウドサービスをはじめとするITテクノロジーや人工知能(AI)活用の進化、超高生産性プロフェッショナルの台頭、その結果として、組織形態や雇用形態の多様化が進んでいく中では、35歳を過ぎてからも20代以上の速度で成長していかなければ現状すらキープできない、という未来は、すぐそこまでやってきているといえるでしょう。

自分を市場化できる力を磨け 転職市場の現在と未来予想図

成長を続けないとすぐに市場価値が陳腐化してしまう時代に対応し、キャリアを構築していくためには、どう動けばいいのでしょうか? 単に成長のための自己投資を継続しているだけでは足りず、待ちから攻めへ自らの価値を売り込んでいく力量も必要になっていきます。

(1) 市場で待っていれば、誰かが高く買ってくれる時代の終わり

転職活動をしている人の多くは、「今の自分の市場価値はどれくらいだろう?」「どんな業界や会社なら自分を高く買ってくれるだろうか?」といったことに興味津々です。転職活動をしているのですから当たり前といえば当たり前なのですが、実際にはその考え方自体が過去のものになろうとしています。

「過去から現在までの終わった経験を担保に、待ちの姿勢で、高く買ってくれる買い手を探す」という考え方が、特に生産性が高い(つまり年収が高い)領域から順に、少しずつ市場にそぐわなくなってきているからです。言い換えれば、リアルなスーパーマーケット型人材市場から、EC(電子商取引)の相互売買サイト的な人材市場へ、転換はすでに始まっています。

(2) 複業型プロフェッショナルと専属パートタイマーの二極化

そうした流れが進むと、現在すでに平均値で3倍の賃金格差が生まれている状況はさらに加速します。ムーアの法則のように、ITやAIの活用能力の差によって、加速度的に人材間の生産性に格差が生まれるとすれば「10倍格差」、職域内での評価の高低まで含めると「30倍格差」の時代は当たり前にやってくるかもしれません。

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