2017/7/27

マネーのみかた

ところで外貨預金については動画に入れられなかった最新ツールの情報があるので、ここで補足しましょう。じぶん銀行が6月にスマートフォン用の「じぶん銀行アプリ」に追加した「AI外貨予測」機能です。

顔アイコンの並ぶ画面を見れば、今後どの通貨が有望そうなのかも分かる

これは米ドル、ユーロ、豪ドル、ランド、ニュージーランドドルの5通貨について、1時間後、1営業日後、5営業日後に「上がる」か「下がる」か「どちらともいえない」かの予測が、顔アイコンと確率(!)で表示されるものです。単純なアルゴリズムで動いているのではなく、「AI(人工知能)が為替チャートを画像として認識し、その形を分析して予測を出している」(同行経営戦略部)。画像解析の部分については、盤面の碁石の並びを画像として解析している米グーグルのAI「アルファ碁」と同じ手法ですね。あくまで参考情報とはいえ、邦銀がここまではっきりした予測を出しているのには正直驚きます。もちろん「AIだから正しい」とは限りませんが、為替の先読みの参考として一度見てみるのもいいでしょう。この機能は同行に口座がありアプリをダウンロードした人であれば、今外貨預金をしていなくても無料で利用可能です。

3本目の動画ではまず外貨建てMMFの長所・短所を解説しています。2015年までは、為替差益の部分が非課税になるという非常に「おいしい」商品だったのですが、現在はそのメリットは失われてしまいました。ただ少額から始められ、満期がないのでいつでも機動的に円に戻せるというのは変わらぬ長所です。

さて外貨投資では時々「レバレッジ(てこ)」という言葉が登場します。株の信用取引と同じく、実際に預け入れた額の何倍ものお金を動かせるのを「レバレッジが効く」といいますが、外貨預金や外貨建てMMFは「レバレッジが効かない」商品です。つまり為替が動いても、これらの含み損や含み益はあまり大きく変動しません。これが初心者にとっては「不安にならず長く持てる」という長所になります。

一方、レバレッジが効く商品の代表がFXです。差し入れた証拠金の最大25倍までの取引ができ、含み益も含み損も大きく増幅されますので、面白く、かつハラハラさせられる商品です。そして為替コストが米ドルで0.3銭ほどと、ネット銀の外貨預金と比べても低いのが大きな魅力。会社によってはFX口座の外貨を現金で引き出す「現引き」も可能で、超低コストでの両替にも使えます。

ただ外貨投資では為替コストが低いほど負けにくくなるはずなのに、FXではレバレッジを上げられるのが裏目に出て、失敗する人もいます。資金額や為替次第では差し入れた証拠金以上の損失を被ることもあるので、FXは外貨預金や外貨建てMMFを経験して中級者になってから始めるのがいいでしょう。

FXは期間の自由度が高い所も魅力なので、円高が進んできたタイミングで買いを入れ、しばらく放置し、だいぶ円安になってから思い出して円に戻す、といったゆったりした投資もできるのです。そのためには証拠金は極力厚めに入れ、外貨は少しだけ買うようにし、レバレッジを低く保つ努力が必要です。レバレッジ1倍のFXなら理論的には外貨預金や外貨MMFと同じことなので、失敗の恐れはだいぶ小さくなります。

(マネー研究所編集長 大口克人)

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