ボーナスで外貨投資に挑戦 金利は円預金の比ではない第5回 外貨預金、外貨建てMMF、FX

2017/7/27

マネーのみかた

この時期、夏のボーナスをどうするか考えている人は多いでしょう。「住宅ローンの繰り上げ返済」はマイナス金利の今も変わらず有効ですが、それ以外の「攻めの運用」としては外貨投資が一つの手だと私(編集長の大口)は思います。商品としては外貨預金や外貨MMF、外国為替証拠金(FX)取引などです。「夏のボーナスランキング 定期預金は地銀がお得」でも見たように、円の1年定期は最も有利な銀行でも0.3%程度。残念ながら預けて増やすという水準ではありませんが、外貨預金なら金利が低めの米ドルでも1.3%程度の銀行があります(6カ月物がキャンペーンで2%の例も)。高金利通貨のトルコリラや南アフリカ・ランドでは年6~8%も狙えます。

もちろん円預金より高金利だとはいえ、外貨投資は為替次第では差損が出て元本割れの恐れもあります。逆にいえば高金利に加えて為替差益が取れる可能性もあり、これが外貨投資の最大の魅力でしょう。

1本目の動画ではこの辺の話に加え、資産が円預金だけに偏ることの問題点(通貨分散の必要性)など、外貨投資を始める意味を解説しました。それに外貨投資は商品選びが簡単。日本株なら3600銘柄、投資信託なら6000本から選ぶところ、邦銀が扱う通貨の種類はせいぜい10~15程度。個人に人気の通貨といえば米ドルかユーロで決まりですし、これらは情報も豊富に入手できます。外貨投資を始めると急に「アンテナが立って」、世界情勢や中央銀行の総裁など要人の発言に関心を持つようになるのも長所だと思います。

また株や投信を買って値下がりしたら塩漬けにして回復を待つしかありませんが、ドルやユーロの外貨預金ならもし円高になっても、円に戻さず旅先で外貨として使う最後の手段があります。特に最近は「外貨普通預金口座の資金を海外で引き出してそのまま決済に使えるカード」が増えており(例えばソニーバンクウォレット、新生銀行の海外プリペイドカードGAICA、SMBC信託銀行のプレスティア外貨キャッシュカードなど)、その点では昔に比べて始めやすくなりました。

2本目の動画では外貨預金で成功するためのコツを2つ解説しています。特に最初の「始める時期」は重要で、外貨投資では開始時に比べ終了時が円安になっていないと利益が出ません。従って足元で円高が進んでいて、中長期では円安になりそうな時期に始めるのが肝心なのです。米ドルの例でいえば、7月11日は直近のピークで1ドル=114.5円程度だったので始めにくい感じでしたが、その後7月24日には110.6円まで円高が進んでいますので、2週間前に比べ入りやすいタイミングだといえます。

もう1つの為替手数料については、同じ銀行でも店頭よりネット取引が安く、メガバンクよりネット銀行が安い傾向があります。中でもジャパンネット銀行の「米ドル片道5銭」は突出して安いと思っていましたが、まさにボーナス資金を狙ってか、住信SBIネット銀行が8月10日までの期間限定で、米ドル通常片道15銭のところを「4銭」にするキャンペーンを始めました。外貨で運用するならこういう情報もお見逃しなく。