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アウディQ2 「粗削り」で若者狙う デザイナーを直撃

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NIKKEI STYLE

久々に気になるカーデザインが登場した。アウディ「Q2」。同社初ともいえるはやりのコンパクトSUVだが、デザインテーマはなんと「ポリゴン=多面体」。グリルほかディテールにモチーフを投影させるだけでなく、全体も今までにない角張ったゴツゴツフォルムになっている。今後、アウディデザインは変わるのか? 若き30代の担当ドイツ人デザイナーを直撃した。

ちょっと大きな声でほえる小犬

小沢コージ(以下、小沢) やっと日本にも話題のQ2が上陸しました。アウディ初のコンパクトSUV、しかも後発ということで、今までのアウディデザインとは違った新しいトライをされていると思いますが、何がポイントなんでしょう?

マティアス・フィンク氏(以下、フィンク) 「クロスオーバー」という言葉がありますが、文字通り何かの境界を超えるという意味で、SUVの枠を超える、コンパクトカーの枠を超える、スポーツカーの枠を超える、いろんな意味が含まれていて、このクルマもそういうイメージの中で考えました。

小沢 とはいえ今、クロスオーバーSUVはたくさんあります。その中でQ2らしさとは?

フィンク 実は私自身、クロスオーバーという言葉はあまり好きではないんです。普通の車に対してクロスオーバーと呼んだりすることも多く陳腐になるので、Q2にはあえてこの言葉を使っていません。でも、本来的にクロスオーバーと呼べるのは、このクルマではないでしょうか。控えめな表現で作られるアウディの中ではかなりアグレッシブだし、SUV、コンパクトカー、スポーツカーといった定義であり境界を超えているという意味で。

小沢 相当な自信をお持ちのようですが、実際僕もQ2を見てびっくりしたんです。フロントグリルのポリゴン模様といい、ドアのプレスラインのビックリするような六角形のエグれといい、とても今までのアウディとは思えない。あれはかなり意図的だったということですね。

フィンク デザインレベルをダイヤルで調節しているとしたら、普通より少し多めに回している感じです。それはグリルもそうだし、Cピラーもそう。ルーフの落ち方も大きいし、サイドのロッカー部を通常より上げてキャビンがコンパクトに見えるようにしています。イメージとしては「小さな犬がちょっと大きな声でほえている感じ」です(笑)。

小沢 中でも顔はかなり新しいですね。

フィンク 考えた結果、よりボクシーでエッジの効いたデザインにしようと。今までのアウディのシングルフレームグリルは六角形でしたが、Q2は八角形だし、あえて今までよりボンネットを高くして幅広に見せています。

30歳の自分が欲しいデザインを

小沢 ポリゴンデザインを思いついたのはどういうタイミングだったのでしょう?

フィンク かなり突発的というか偶然で、今から5年前の2012年の夏のことです。私が仕事を終えてオフィスを出ようとするときに、たまたまプロジェクトマネージャーがぶらりと来て「役員がQシリーズ(SUV)の小さなモデルを欲しがってるんだけど、なにかいいデザインかアイデアはないか?」と。しかも「期限は明日まで」と(笑)。別に私が指名されたわけではありませんでした。

小沢 それは確かに突発的です。しかし、同時にチャンスでもあった。当時、フィンクさんはどのように考えたんですか?

フィンク そのときは名前すら決まっていませんでしたし、「Q3より小さなSUV」としか言われなかったんです。とにかく「都市型の若者のための小さなQシリーズが欲しい」と。それでその晩、さっそく若い人のための新しいクルマということでいろいろ思索をめぐらせて、翌朝真っ白な紙にスケッチを始めました。するとある瞬間、ふっと気付いたんです。当時私は30歳でしたし、購入層はまさに自分自身。だったらシンプルに自分が欲しいクルマをデザインしようと。

小沢 フィンクさんは子供のころ、どういう少年だったんですか? 

フィンク 村の農場で生まれ育ち、外で過ごすことが多い子供でした。PCなど持っていなくて、魚を捕まえることが大好きで、スケッチが大好き。クルマも好きだったので、よくスケッチしていましたが、当時はカーデザイナーの存在すら知りませんでした。ただ、芸術や建築に興味があって、12歳ぐらいのときにカーデザインを勉強できる大学があると知り、これこそまさに自分のやりたいことだ! と。

クオリティの低いものを若者は支持しない

小沢 まさに自分自身を投影したわけですね。ただ、当時すでにコンパクトSUVは激戦区だったし、アウディにも相当な危機感があったんじゃないかと推察したのですが。

フィンク もちろん他社のことも頭にありましたが、それ以上に全く別のことを考えていました。例えば河口の石はたいてい丸く整っていますが、それは下流のことで、上流の石はゴツゴツしていてカタチも不ぞろいじゃないですか。それはまさしく人間と同じで、そういうデザインこそQ2にふさわしいんじゃないかと思ったんです。自分自身に自信がなくて、ワケも分かってないけれど、未知で粗削りなパワーがある。そもそもポリゴンとはギリシャ語で多くの(ポリ)角(ゴン)という意味で、まさにそういうものを表現したかった。もちろんそれでいてアウディデザインの則を超えてはいないし、きちんとバリューは残しています。

小沢 年齢的なターゲットはどれくらい?

フィンク 基本的には30~40代です。当時の私と同い年。でも、年齢に縛られず、気持ちが若い方ならばどなたでもお勧めできると思っています。

小沢 最近よく言われることですが、若い人がみんなスマートフォン(スマホ)や新しく出てくるデバイスに夢中になるなか、クルマがその層の興味を取り戻すにはデザインが重要だと思われます。そのあたりはどうお考えですか。

フィンク アウディはそういう意味ではパーフェクトなブランドだと思いますよ。若い人は実はチープなものやクオリティーが低いものにはお金を払いません。本当にクオリティーが高くてスタイルがあるものに対して彼らはお金を払うんです。例えばスマホだって全然安くはないですよね? iPhoneが人気なのはまさにその両方があるからで、Q2もクオリティーとスタイルがあるから若者には支持されるはずだと考えてます。

小沢 なるほど! クルマやスマホのジャンル分けの問題じゃないと。ちゃんとバリューがあれば、若者にも売れるはずだと。

フィンク とにかく彼らは妥協したくないんです。自分が本当に欲しいもの、欲しいデザイン、欲しいクオリティーのものには絶対にお金を払うと私は考えています。

小沢コージ
 自動車からスクーターから時計まで斬るバラエティー自動車ジャーナリスト。連載は日経トレンディネット「ビューティフルカー」のほか、『ベストカー』『時計Begin』『MonoMax』『夕刊フジ』『週刊プレイボーイ』、不定期で『carview!』『VividCar』などに寄稿。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)など。愛車はロールスロイス・コーニッシュクーペ、シティ・カブリオレなど。

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