正解は、(1)紫外線 です。

紫外線が体の疲れを悪化させる!

私たちが日常「体が疲れた」と口にするときは、「脳が疲れた」状態であり、肉体疲労も精神疲労も、あらゆる疲労は脳の中にある自律神経の中枢が疲れることで起こる、と東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身さんは指摘します。

疲労が蓄積した結果、自律神経の機能が低下して、本来なら対処できるストレス要因に体が対応しきれなくなった状態が、いわゆる「バテた」状態です。梶本さんによれば、特に夏は疲労を悪化させる要因が多く、これが「夏バテ」を招くそうです。

その要因とは、大きく分けて「暑さ」「紫外線」「寒暖差」の3つです。

暑い夏でも体が活動できるために、人の体は汗をかきます。汗が蒸発するときに気化熱を奪うことで体の熱を放出して一定の体温を保っているわけですが、この体温調節を担っているのは自律神経。つまり暑いときは、自律神経がたくさん働かなければならず、その負担が大きくなるから疲れるわけです。

また、夏(7~8月)は1年のうちでも紫外線量が最も多くなる時期です。紫外線が目から入ることによってその刺激が脳に伝わり、自律神経のうち交感神経が優位になりやすく、疲れやすくなります。これを梶本さんは「全身が戦闘態勢をとるようなもの」と表現します。

「すべての動物は交感神経を落としてしまうと、アラート機能が働かず、敵に狙われて殺される危険があるため、自律神経が疲れても交感神経をあまり落とさないようにできています。その結果、相対的に交感神経優位になり、さらに疲れを招きやすくなります」(梶本さん)

さらに、暑い屋外と冷房の効いた室内を出入りするたびに、自律神経が急激な上下をくり返し、なんとか交感神経・副交感神経のバランスを保っています。こうした急激な切り替えは、本来、体に備わったシステムとしては想定されていないことなので、結果的に自律神経は疲弊してしまいます。

最も大事なのは「睡眠の質」

疲労回復を左右する最大の要素は「睡眠の質」です。夏バテについても同じで、夏バテを予防・解消する最良の手段は「質の良い睡眠を十分にとること」に尽きます。

自律神経を酷使しやすい夏は、交感神経が優位になりやすく、夜になっても交感神経が興奮したままで副交感神経優位になりにくいため、睡眠の質が落ちやすくなります。睡眠リズムをつくっているのも自律神経であるため、リズム自体も狂ってくる。夏こそ、第一に質の良い睡眠をとる工夫を重視すべきでしょう。

いびきをかいて寝ている人は疲れが残りやすい傾向があるため、まずはいびきを止めたいところ。横向き睡眠やCPAP(持続陽圧呼吸療法、Continuous Positive Airway Pressure=CPAP〔シーパップ〕)の使用が助けになります。

[日経Gooday 2017年7月10日付記事を再構成]

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