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同僚男性が育児休業を取ると言い出したら?

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日経ウーマンオンライン

こんにちは、人事労務コンサルタントの佐佐木由美子です。同僚の男性社員から、育児休業について相談された紗世さん(仮名)。そもそも、男性社員は育児休業を取れるのかどうか、疑問がありました。

休みが取りにくい職場で育休は無理?

都内にある教育関連サービス業で一般事務をしている紗世さん(30歳)。どちらかというと、若手の独身社員が多い職場でしたが、最近は結婚や出産の話も聞かれるようになってきたといいます。そうした中で同僚の男性社員Tさんに子どもが生まれるらしい、と耳にしました。

そこで、冗談っぽく紗世さんはTさんに「イクメンそうだから、育休でも取るつもり?」と聞いたところ、Tさんは大真面目に「実は、育休を取りたいと思ってるんだけど……」と、言い始めたのです。話を聞いてみると、精神的にナーバスになっている奥さんのために、出産後1カ月くらい会社を休んでサポートをしたいとのこと。

しかし、大きな問題がありました。それは、紗世さんの会社で、男性社員が育児休業を取った人がいまだかつていないということです。最近では、女性社員が出産後も働き続けるケースが少しずつ増えてきて、女性社員の育児休業は珍しくなくなってきました。とはいえ、男性となると話は別です。

男性が育休を取る「美談」について、メディア等を通して聞いたことはあるものの、それは大企業や公務員の話で、紗世さんの勤務する一般の中小企業には関係のない話だと思っていました。まして、社長をはじめ上司も相当なハードワーカーで、年次有給休暇でさえ取ることが難しい雰囲気の職場です。

「Tさんの気持ちは分かるけど、うちの会社じゃ、難しいんじゃないの?」

紗世さんはそう答えたものの、なんだかしっくりきません。何とかしてあげたいと思いつつも、そもそも男性が育児休業を取ること自体、難しいのではないか……という思いで揺れていました。

若い世代ほど育休を取得したいと思っている

厚生労働省が発表した2016年度の男性の育児休業取得率は、3.16%。前年度より0.51ポイント増加し、比較可能な1996年度の調査以来、過去最高に達しました(「平成28年度雇用均等基本調査」より)。しかし、女性の育休取得率81.8%と比べても、非常に低い数値であることは明らかです。育児休業については、企業規模や性別にかかわらず取得することができます。男性の場合も、原則として子どもが1歳に達するまで希望する期間について育児休業が取れることになっています。

2014年発表の連合調査によると、子どものいる20代男性のうち、「育児休業を取得したことはないが取得したかった」が58.3%と若い世代ほど育休を取得したい、またはしたかったという要望が高いことが示されています。しかし、「自分の職場で、男性の子育てに対し最も理解があると感じるのは誰か」との質問には「職場には誰もいない」との回答が45.1%となり、半数近くは職場での理解が得られないと答えています。

会社の制度にかかわらず、法律上は男性も育休を取得できる

実際の取得率が上がらない理由としては、そもそも職場が休暇自体を取りづらい雰囲気や、会社で育休制度が整備されていないこと、またそれに伴い男性が育休を利用することに対する理解が進んでいないことなどが挙げられます。

一部労使協定による適用除外等はあるとしても、法律上は男性も育休を取得できることになっています。会社が積極的に周知をしてくれたら、男性が育休を取れるということが理解できますが、そうしたアナウンスもなく、上司も男性が育児・家事に関わることに対して否定的であれば、なおさら言い出せない雰囲気が醸成されてしまう恐れがあります。

男性育休には特例もあり

育児休業は法律上、原則として、子ども一人につき1回取れることになっています。女性の場合は、産前産後休業から引き続き育児休業を、子どもが1歳になるまで取るケースは多いといえるでしょう。

ところが男性の場合は2回取れるという特例があります。これは、配偶者の出産後8週間以内の期間に育休を取った場合は、男性はもう1回取得できるというもの。例えば、出産直後の妻の大変な時期に育休を取り、その後妻が職場復帰するときに再度育休を取ってサポートする、といった方法も取れるわけです。

また、育児休業は保育所に入れないなど一定の延長理由がない限りは、子どもが1歳になるまで取れることになっていますが、夫婦で育休を取得する場合は、子どもが1歳2カ月に達するまで取ることができます。これを「パパ・ママ育休プラス制度」といいます。

現在は異なりますが、育児・介護休業法が改正される前までは、配偶者が育児休業中や専業主婦(夫)である場合に、労使協定によって育休取得の対象者から除外することが可能でした。このため、「妻が専業主婦だと育休は取れない」と、いまだに思い込んでいる方もいるかもしれません(もし今でもこうしたルールがあるとすれば、それは無効です)。

紗世さんの会社のように、男性社員の育児休業はタブーな雰囲気、という職場は少なからずあるでしょう。一方で、育休を取りたいと希望する男性もいます。Tさんが本気で育休取得を考えているなら、それは無理だと否定せず、まずは上司に相談するように話してみてはいかがでしょうか。

こうした現場で働く人の声が、職場の休み方について改めて考え、会社の風土を見直す契機となるかもしれません。

佐佐木由美子
 人事労務コンサルタント・社会保険労務士。米国企業日本法人を退職後、社会保険労務士事務所等に勤務。2005年3月、グレース・パートナーズ社労士事務所を開設し、現在に至る。女性の雇用問題に力を注ぎ、働く女性のための情報共有サロン「サロン・ド・グレース」を主宰。著書に「採用と雇用するときの労務管理と社会保険の手続きがまるごとわかる本」をはじめ、新聞・雑誌等メディアで活躍。

[nikkei WOMAN Online 2017年7月12日付記事を再構成]

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