K-POP大手のYG、3つの戦略を強化 日本市場に攻勢

K-POPのトップアーティストBIGBANG(ビッグバン)が所属する大手事務所がYG ENTERTAINMENT(以下、YG)だ。BIGBANGの弟分である男性グループのWINNER(ウィナー)、iKON(アイコン)が成長する一方、この夏には新人女性グループのBLACKPINK(ブラックピンク)が日本デビュー。日本市場での勢力拡大をめざしている。YGが強化を図る方向は3つ。「ライフスタイル」「大人世代」「息の長い活動」だ。YG ENTERTAINMENT JAPANの代表、渡邉喜美氏に、今後の戦略について聞いた。

8月9日に日本デビューするBLACKPINK 左からROSE(ロゼ)、JENNIE(ジェニー)、JISOO(ジス)、LISA(リサ)

2016年以降、日本国内でコンサートを開いた韓国グループの公演動員数を合算してみると(17年4月末現在)、1位のBIGBANGをはじめ、3位のiKON、9位のWINNERと、YG所属のアーティストがトップ10に3組ランクイン。同社の勢いが見てとれる。

2016年1月1日~17年4月30日までに国内で行われた韓国グループ(ソロを除く)公演(ファンイベント含む)が開かれた会場の公式座席数を日経エンタテインメント!編集部で集計。YGのアーティストを赤字にした

さらに17年の夏には、4人組の新人女性グループ、BLACKPINKが日本にお目見え。7月20日に初披露となるショーケースライブを日本武道館で開催する。約1万席のチケットには申し込みが殺到。武道館で公演を1週間続けられるほどの応募数だったようだ。

BLACKPINKは韓国で16年8月にデビューした。YGが得意とするヒップホップやEDM系の音楽が特徴で、韓国でのデビューデジタルシングル『SQUARE ONE』の収録曲は、韓国の各テレビ局の音楽番組で1位を獲得しただけでなく、14カ国のiTunesで1位、中国の音楽配信サービス『QQミュージック』で週間チャート1位と、海外でも話題。近い将来に、公演動員数トップ10にYGアーティストの4番目として加わるかもしれない。

アパレルやコスメのブランドを展開

YGは、16年に3200億ウォン超(300億円以上)を世界で売り上げたという。その人気筆頭株のBIGBANGは、15~16年の日本ドームツアーで累計91万1000人を動員、海外アーティストとして史上最大級の来日ツアーとなった。しかし、メンバーの兵役により、現在は4人で活動を行っている。

一方、16年の日本初ツアー(全国5都市14公演)に14万6000人を動員し、17年5月から初のドームツアー(京セラドーム大阪、メットライフドーム)を実施したiKONや、16年に4都市9公演で3万6000人を動員したWINNERと、「BIGBANGの弟」も成長している。

こう見ると、順調そのもののYGだが、渡邉氏は満足していない。「ライブ以外にもYGブランドを通して、皆さんの人生に彩りを与えたい」と考えているからだ。それを実現するため、YGブランドが強化していきたいキーワードは3つある。「ライフスタイル」「大人世代」「息の長い活動」だ。順に見ていこう。

まず、「ライフスタイル」を訴求することで、YGブランドはK‐POPファン以外の層を取り込んでいる。音楽関係者のみならず、ファッション業界やクリエイター、文化人など、流行を発信するトレンドセッターにYGのファンは多い。「アーティストに会いたい、というだけでなく、彼らと同じライフスタイルを共感したいという動きは、他社にないYGならではの現象です。そこでYGのアパレルブランド『NONAGON』や、コスメブランド『moonshot』が生まれました。これからも新たな事業を展開していくつもりです」

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