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食中毒4つの盲点 刺し身より「半生ひき肉」に注意

日経Gooday

2017/7/31

シメサバを食べるなら冷凍処理されたものが無難(C) kazoka30-123rf

サバはアニサキス[注1]、ヒラメはクドア(正式名称クドア・セプテンプンクタータ)という寄生虫が寄生しやすく、最近、食中毒の報告が増えてきている。2016年の報告数は、アニサキスが124件126人、クドアが22件259人だった(クドアについては「ヒラメ刺し身で謎の食中毒 原因は『クドア』」をご覧ください)。

サバなどの内臓に寄生するアニサキスは、魚が死んですぐに切り身にされないと、内臓から身(筋肉)へと移動する。クドアはヒラメの筋肉に寄生する。いずれも、多くの場合、加工・調理の段階で発見され取り除かれるが、気が付かずに食べてしまうと、嘔吐(おうと)や腹痛を生じる。

これらの寄生虫は、十分な加熱処理や、-20度で24時間以上(クドアは4時間以上)冷凍することで死滅、または感染性を失わせることができる。生の魚介類は、以前は冷凍した状態で流通していたため、こうした寄生虫が食中毒を引き起こすことはなかったが、流通技術の発達により、低温(チルド)の状態で消費者の手元に届くようになったため、被害の報告が増えていると考えられる。なお、「サバを酢で締めてもアニサキスには効果はありません」(鳥居氏)とのこと。シメサバは冷凍処理されたものを選ぶ方が無難だろう。

なお、魚介類による食中毒の発生件数でいえば、刺し身よりも注意が必要なのは、二枚貝だ。カキ、アサリ、ハマグリなどの二枚貝を生で食べると、ノロウイルスによる食中毒を引き起こすことがある(ノロウイルスではこのほか、感染した患者の嘔吐物などを介した二次感染も多い)。

ノロウイルスは下水とともに海に運ばれた後、プランクトンと一緒に二枚貝の中に取り込まれ、蓄積されることで感染原因になる。「おいしい二枚貝は、栄養源となるプランクトンの豊富な場所で育っているため、『おいしい二枚貝ほど危険性が高い』ともいえます」(鳥居氏)というのは皮肉な話だ。ノロウイルスは、貝の中心部まで85~90度で90秒以上加熱処理すれば問題がない。夏場は生ガキを食べることはあまりないが、中が半生のカキフライや、さっと蒸しただけの貝料理などには注意したい。

■盲点3 卵は殻の取り扱いに注意!

サルモネラ菌は殻に付いている(C) karandaev-123rf

卵による食中毒の原因菌として有名な、サルモネラ菌。実は、サルモネラ菌に汚染されることがあるのは、卵の「中身」ではなく「殻の外側」の部分だ。サルモネラ菌はもともと家畜の腸管内に生息しているため、産卵時に卵の殻に付着して出てくる。卵の中まで入り込むことはない。

このため、卵を使う料理のとき、卵の殻を触った手を洗わずにそのまま調理をすると、触った場所からサルモネラ菌が増殖する恐れがある。割ったらすぐに加熱し、火が十分に通っていれば問題ないが、生卵の場合は、殻の外側を触った手や調理器具が中身に接触しないよう、注意が必要だ。例えば、すき焼きに使う生卵を殻ごと皿に入れて食卓に出し、そのまま同じ皿に割り入れて食べるといった習慣は危険大。テーブルに出す際の容器と、割り入れる容器は必ず分けよう。

■盲点4 原因は直前に食べたものとは限らない!

腹痛や吐き気、下痢など、食中毒が疑われる症状が出たとき、誰しもその日や前日に食べたものを思い起こすだろう。だが、細菌性の食中毒の場合、直近で食べたものに原因があることは少ない。

[注1] アニサキスが寄生する魚はほかにもアジ、イワシ、イカなどがあるが、なかでもサバは最も重要な感染源と考えられている。

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