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食中毒4つの盲点 刺し身より「半生ひき肉」に注意

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2017/7/31

ハンバーグはよく火を通して(C)kazoka30-123rf
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タレントの渡辺直美さんや山里亮太さん、庄司智春さんもかかったことで話題になった、アニサキスによる食中毒。また、今年6月には、東京の焼き肉店で食事をした中学生がカンピロバクターによる集団食中毒を発症したことも記憶に新しい。夏本番のこの時期、注意が必要なのはどんな食材なのだろうか。

食中毒を起こす病原体には、大きく分けて、細菌、寄生虫、ウイルスの3種類がある(表1)。アニサキスは寄生虫、カンピロバクターは細菌。それぞれ感染源となる食品や治療法が異なるが、「梅雨時から夏にかけては、湿度や気温が高く、細菌が増えやすい環境になるので、細菌性食中毒、特に病原性大腸菌に注意が必要です」と、鳥居内科クリニック(東京都世田谷区)院長の鳥居明氏は話す。

(参考資料:前田耕太郎編『徹底ガイド 排便ケアQ&A(No.14)』総合医学社ほか)
2016年の食中毒の発生件数は1112件、患者数は1万9930人(医療機関を受診し、原因物質が判明したもの)。梅雨時から夏にかけては細菌性が大半を占め、冬になると、低温・低湿度に強いノロウイルスなどの食中毒が増えてくる

病原性大腸菌は、人や動物の腸の中に生息している大腸菌のうち、病原性を持つものの総称。重症例の多いO-157が有名だが、ほかにもたくさん種類があり、主に、牛肉や豚肉、鶏肉などを生で食べることによって、人に感染する。

「細菌が最も繁殖しやすいのは真夏ですが、実は、食中毒の発生件数は真夏よりも梅雨時の方が多くなっています。これは、この時期はまだ涼しい日と暑い日があって、食中毒に意識があまり向いておらず、生ものの調理や摂取に油断が生じがちなためです」(鳥居氏)

以下に、梅雨から真夏にかけての時期、気になる食中毒とその対策について、意外な盲点をご紹介していこう。

■盲点1 実は「ひき肉料理の半生」が危険!

「外食ではお刺し身よりも、ハンバーグやメンチカツ、つくねといったひき肉を使った料理に注意しましょう」と鳥居氏は話す。

家畜は腸の中に病原性大腸菌を持っていることが多いため、病原性大腸菌は肉の表面にくっつく。

しかし、ひき肉は、肉をミンチにする段階で大腸菌が内部に入ってしまうため、中心まで十分に火が通っていないと、食中毒を起こす可能性がある。外でひき肉料理を食べる時は、中心部の色をよく確認し、自宅で調理する場合も、しっかり中まで加熱するようにしよう。

なお、ステーキなど、もとの形状が維持されている牛肉の場合、表面を十分に加熱すれば中は生でも問題ない(レバーを除く)。ただし、寄生虫が潜んでいることがある豚肉や、カンピロバクター食中毒の多い鶏肉は、中まで火を通すことが大切だ。

なお、カンピロバクターによる食中毒は、近年、報告件数が急増している。生の鶏肉によるものが多く、2016年の発生件数は339件、患者数は3272人と、細菌性食中毒の中では最多だった。「カンピロバクターによる食中毒の患者は、子どもや高齢者が多いのが特徴です。子どもや高齢者は抵抗力が弱く、重症化しやすいといわれています。いずれにせよ、加熱不十分のひき肉や生肉には注意が必要です」(鳥居氏)

■盲点2 刺し身はまず安全、ただしサバ、ヒラメには注意

生の魚介類というと、真っ先に思い浮かべるのが刺し身。だが、実は「魚に大腸菌などの病原菌が付着する機会は少ないと考えられます。お刺し身を調理する人が手にけがをしていたり、手を洗わなかったりといった衛生上の問題がなければ、通常、お刺し身が細菌性食中毒の原因となることは少ないといわれています」と鳥居氏は話す。

ただし、例外として、鳥居氏が注意を促すのが、「サバ」と「ヒラメ」だ。

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