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人生を変えるマネーハック

賢いバカンス出費 ポイントは出かける「前」と「後」 趣味とバカンスをマネーハック(4)

2017/7/24

PIXTA

 今月のマネーハック、テーマは「趣味とバカンス」です。お盆休みが近づいていることもあり、今週はバカンスを取り上げます。

 皆さんは今年の夏はバカンスの予定があるでしょうか。国内旅行や海外旅行を企画してどこかに出かけるのは、日ごろできない楽しみのひとつです。ファイナンシャルプランナーに相談すると「無駄づかいはやめなさい」と怒られてしまいそうな気がしますが、そんなことはありません。堂々と、バカンスに出費をしていいのです(実はファイナンシャルプランナーも結構、旅行に出かけているものです)。

 ただし、「賢いバカンス出費」のルールはあります。

■バカンスは「コスパ」が重要

 バカンスは高額出費の一つです。家族が4人以上なら旅行代は高額になります。交通費、食費、観光費用(名所などの見学料など)を積み重ねていくとあっという間に10万円を超えることも珍しくありません。

 「給料も増えていないのに、こんな出費をしていいのだろうか?」とびくびくしながら出かけるのはマネーハック的にはNGです。それではバカンスを楽しめません。むしろ高額出費をするときは堂々と出かけて、高い予算に見合う満足を得ればいいのです(ただし、借金で旅行に行くのはNGですよ)。

 コストパフォーマンス(コスパ)というのは「値段が高いからコスパが悪い」のではありません。「値段に見合う満足が得られない」からコスパが悪いというのです。

 それは、100円ショップのグッズであろうと10万円の旅行であろうと同じです。言い換えれば、値段に見合う満足を感じられるならそれは無駄づかいではないのです。家族での楽しい時間、初めて見た絶景の感動、おいしい食事の記憶などが、満足できる思い出に変わるかどうかが重要なのです。ただし、バカンスは高額なので、予算に見合った満足を得るためにはちょっとした努力が必要になります。

■「旅行前」も存分に楽しむ

 まずは「予算を抑える」ことです。バカンスのコスパを高めるためには「旅行サイトで検索して宿泊先をより安く予約する」とか「クーポンで入館料を割引にする」という予算カットが何より大切です。また、「出かける前にも楽しむ」ことも重要です。

 私たちは旅行の前に、「これから旅行に行くのだ」というワクワク感をどれだけ楽しめているでしょうか。ガイドブックを一冊買って読むのは、お出かけ前の時間を楽しむ方法のひとつです。カップルや夫婦で旅行するのなら、夕食後にちょっとお酒を楽しみながら旅行プランについて話し合う時間をつくりましょう。家族旅行であれば、子どもに行き先のことを調べさせたり、寄りたいところを考えさせてもいいでしょう。

 積立預金をして予算を半年かけて準備するのもそうしたワクワク感を醸成する要素のひとつです。

 事前準備はトラブル回避のためにも重要です。美術館の休館日やレストランの定休日にぶつかるなど、ささいなことで夫婦で言い争いして不機嫌なまま帰宅したりしないためにも、入念に下調べしてください。

■リフレッシュしたと心から思う

 そして、旅行の当日です。一度出かけるとなれば、「非日常」を徹底的に楽しみましょう。予算はあらかじめ「この範囲で抑える」というイメージができていれば、そうオーバーすることはないはずです(予算イメージも前述の「旅行前」に計画しておく)。

 「いやー、リフレッシュした。これでまた半年仕事を頑張れるよ」と心から思えれば、それはいいバカンス出費です。金額以上にコスパの高い旅行が実現できたということになります。

 これは旅行には限りません。例えば、コミックマーケット(コミケ)などに出かけるなど趣味で高額の予算を費やすことがあるかもしれませんが、その出費を後悔しないようにしてください(むしろ真剣に遊んでください)。

■旅行後は引き締めを意識

 バカンス出費の最後のコツは「旅行後の引き締め」です。これは反動が起きないようにする、ということです。

 旅行から帰ってきて「しばらくは倹約しなくっちゃな」とつぶやく人も多いと思いますが、これはとても重要なことです。

 高額出費をした後は、どうしても気持ちが大きくなって、財布のひももゆるみがちです。いつもなら行かないランチにお金を費やしたり、即決で買わない雑貨を買ってしまったりします。これこそがファイナンシャルプランナーとして注意喚起したいポイントです。

 高額出費の癖が抜けきれず、日常生活でも予算オーバーにならないように気をつけることまでが、旅行のクロージングといえます。注意しながら数週間を過ごし、生活のサイクルを日常に戻していきましょう。

 そしてできれば、毎月ちょっとずつ積み立てをして、次の旅行予算を確保していけるようにしましょう。また半年後、高いコスパの楽しいバカンスを実現していくのです。

マネーハックとは ハックは「術」の意味で、「マネー」と「ライフハック」を合わせた造語。ライフハックはIT(情報技術)スキルを使って仕事を効率よくこなすちょっとしたコツを指し、2004年に米国のテクニカルライターが考案した言葉とされる。マネーハックはライフハックの手法を、マネーの世界に応用して人生を豊かにしようというノウハウや知恵のこと。
山崎俊輔
 AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に『誰でもできる 確定拠出年金投資術』(ポプラ新書)など。http://financialwisdom.jp

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