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爪でバツ印をつける、たたく、冷やす、温める…効果はある?

薬を使わずに、かゆみを和らげる方法は?(提供:兵庫医科大学皮膚科 夏秋 優先生)

薬剤を使わずにかゆみに対処するとき、いろいろな方法を見聞きします。爪で押さえてバツ印をつける、たたく、冷やす、蒸しタオルで温める、ばんそうこうを貼る、お茶のティーバッグや出がらしを当てる……果たしてこれらに本当に効果があるのか? と聞かれれば、「かゆみを和らげる」という意味では、効果があるといえるものもあります。

◇「爪でバツ印」は傷をつけない程度ならOK

爪でバツ印をつけるというのは、私自身もやることがあります。これは、爪で刺激を与えることで、かゆみを痛みに替えて和らげているのです。ただしこの場合、かゆみから逃れることはできても、力を入れ過ぎて皮膚に傷をつけてしまうと、そこから細菌に感染する可能性があるという別の問題が出てくるので、注意する必要があります。

◇お茶の成分がかゆみを抑えるかは不明

お茶のティーバッグや出がらしをのせるという方法は、お茶の渋みの成分であるタンニンに、炎症を抑える作用があるといわれていることからかもしれませんが、科学的な根拠による実証はされていません。

◇ばんそうこうはかゆみを抑えないものの、かき壊し防止に有効

ばんそうこうを貼るという方法は、それでかゆみがなくなるわけではありませんが、かけなくすることで、患部を守ることになります。特に、子どもの場合はかゆみを我慢できずにかきむしってしまうと、傷から細菌が入ってとびひ(伝染性膿痂疹:でんせんせいのうかしん)になることも多いので、有効かもしれません。ただし、蒸れてしまわないように、通気性のある紙タイプのものを選ぶようにしてください。

◇保冷剤などで皮膚を冷やして感覚を鈍らせるのがベスト

かゆみを抑えるのに一番よいのは、冷やすことです。冷やすと血管が収縮して、かゆみの神経伝達も遅れるので、局所の感覚を鈍らせ、かゆみを感じにくくすることができます。家庭などでは保冷剤を使ったり、外出時なら冷たい缶飲料を買ったりして、刺されたところを冷やすといいでしょう。

人間の知覚には、「生命に危険を及ぼす感覚を優先する」という原則があります。極端な話をすれば、左手がかゆくてたまらないときに、右手を針で刺されたら、左手のかゆみは吹き飛びます。つまり、爪でバツ印をつけるほか、たたく、冷やす、温めるといったほとんどの方法は、かゆみに替わる刺激を与えることで、かゆみを感じにくくさせているのです。

蚊をつぶしたときの血は、拭き取るか洗い流す

「蚊をつぶしたらどうしたらいいか」ということも、よく患者さんから尋ねられます。吸血中の蚊に気づいてつぶしたとき、自分の血がついてしまったら、ティッシュなどで拭き取ります。

飛んでいる蚊をつぶして、手に血がついた場合は念のため、せっけんで洗い流しておくといいでしょう。例えば、病院の待合室などで吸血して満腹になった蚊をつぶしたときは、その蚊がウイルス感染症の人の血を吸っていた可能性もあります。自分の手に傷があれば、感染のリスクはごくわずかとはいえ、ゼロとは限らないからです。

蚊以外の虫に刺された場合はどう対処する?

虫に刺された現場を見ていないと、赤みやかゆみが蚊によるものなのか、それ以外の虫によるものなのか、判断するのは難しいもの。人間が薄着になり、虫たちが活発に動き回る夏場は、蚊以外の虫に刺されることも少なくありません。