オリパラ

post 2020~次世代の挑戦者たち

五輪よりラグビーW杯! 「また来たい」外国人増やせ 訪日旅行ベンチャー、ノットワールドの佐々木文人社長に聞く(4)

2017/7/26

「すでに当社では、いろいろな人が通訳ガイドとして活躍しています。ある70代の男性ガイドは企業の重役まで務めて、リタイアした後、世の中に貢献したいとお考えのようです。ふらりと地元の商店に入っていって、『どうも!』『毎度!』といった感じでお店の人との距離を詰めるところがすごいのです。人生経験を積んでいるからこその人間関係構築の巧みさ、蓄積された知識や知恵、ゲストへの気配りがとても強みになっています。ある主婦のガイドはもともと生魚が苦手だったのですが、築地を案内するにあたり日常の食卓に魚を取り入れて、主婦の視点をガイドに生かしています」

■通訳ガイドに「観光タクシー」やらせて

――ラグビーW杯やオリパラが終わった後の「post2020」時代に向けて、訪日観光にはどんな課題がありますか。

「国が交通インフラなどの利便性を高めることを期待しています。地方で、交通の不便さは致命傷です。バスを走らせようとしても収支が成り立ちません。それならば道路運送法を見直して、通訳ガイドが外国人のゲストを同乗させて『観光タクシー』として運行できるようにするといった規制緩和が進めば、地方でのツアーの幅は格段に広がると思います」

現在のツアーは英語で東京が中心だが、今後は多言語に対応するとともに全国に広げる方針だ(写真は都内の商店街のツアー)

「外国人との関わりを通じて、日本の良さ、自分の地域の強みを見つめ直すとともに、抵抗感なくフラットに外国人と接していくことが必要です。『おもてなしの国』と世界に紹介されることは好きだけれど、『実際におもてなしをするのはちょっと……』という人を見かけます。(一般の住宅に有料で外国人を泊める)民泊でも『隣に外国人が泊まるのは嫌だ』と嫌悪感を示す人は多いですし、観光地であっても外国人を歓迎しないお店があります」

――ノットワールドは将来、どんな夢を実現したいですか。

「(現在は英語で東京中心の)ツアーを日本全国で(英語以外に)多言語化して展開したいです。ゲストに外国人と日本人が交ざったツアーも増やしていきたいですね」

「ツアーだけでなく、外国人と地元の人が共同作業できるようなコミュニティーを地方にいくつかつくりたいです。テレビ番組『ザ!鉄腕!DASH!!』に出てくる『DASH村』のイメージです。宿泊ができて、地元の暮らしを自分事にできるような場所。それを日本人が目的地として考えていなかったような片田舎につくってみたいです」

佐々木文人
1983年生まれ。東大経卒、損害保険ジャパン(現損害保険ジャパン日本興亜)を経て、ボストン・コンサルティング・グループ入社。4年間の在職中に企業の新規事業開発・営業改革のプロジェクトなどを手掛ける。結婚後に退職し、1年間の世界一周新婚旅行を経て、2014年2月にノットワールドを設立、代表取締役に就任。
藤田耕司
1978年生まれ。公認会計士、税理士、心理カウンセラー。早大商卒。監査法人トーマツを経て日本経営心理士協会、FSG税理士事務所、FSGマネジメントを設立。経営コンサルティングと心理学を融合した経営心理学を体系化し、企業の経営顧問、経営者のメンターを務める。主な著書に「リーダーのための経営心理学」(日本経済新聞出版社)がある。

(この項おわり)

「post2020~次世代の挑戦者たち」は随時掲載します。

オリパラ 新着記事

ALL CHANNEL