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塾も驚く「貴重」な名門校 筑波大付属高生の素顔 筑波大付属高校の大川一郎校長に聞く

2017/7/23

芸能・スポーツ分野にも卒業生を次々輩出する。狂言師の野村萬斎さんは、東京芸術大学に進学した後、幅広い芸能分野で活躍中だ。東大史上2人目のJリーガー、添田隆司さんや同じく東大からプロ野球に進んだ遠藤良平さんも筑付の出身だ。そもそも東大からサッカーや野球のプロ選手になったのは数人程度しかいない。「大学までは親など大人の要望にも添うけど、キャリアは自分の信じた道を進みたいと、本当に実行してしまうOBが少なくない」(那須副校長)。

■付属小学校は超人気校

自由で多様性にあふれる筑付高生。しかし、それまでの関門を突破するのは難しい。筑波大付属小学校は、慶応義塾幼稚舎とともに日本一人気の高い小学校とされ、受験倍率は30倍ともいわれる。小学校は、実験校とも呼ばれ、新たな教育の試みを次々実施する。自主的にドンドン発言することを求められる。ただ、付属中学に内部進学できるのは4分の3程度だ。

筑波大付属中学の校舎、高校と同じ敷地にある

付属中学には制服もあり、規律もある程度厳しい。ここでは自律を教えられる。「付属高校に進めば、“自由”が待っている」と勉学に励むが、内部進学できるのはやはり4分の3程度だ。「小中高一貫教育だと思われていますが、実際はそれぞれ別の学校」(大川校長)という。

ただ、育成方針はつながっている。筑付のモットーは自主・自律・自由。小学校で自主、中学で自律をそれぞれ学ぶ。自己を確立して自由を手に入れるという仕組みだ。

高校の授業は昔から今はやりの「アクティブ・ラーニング」(能動的な学習)が主体だ。各教員は個性的で、「源氏物語」を詳しく語る教師もいれば、大学の基礎研究並みの「物理学」などを論理的に教える教師もいて、多士済々だ。自分で考え、発言し、議論する授業が中心で、基礎・基本をみっちり教える。受験対策を中心に据えた授業をする教師はいない。

■東大合格、かつては筑駒以上の実績も

17年の進学実績は東大39人、京大10人。医学部には24人、早稲田大学と慶応義塾大学にも計186人が合格している。1970年代は年に100人を超す東大合格者を輩出、80年代まではベストテンの常連だった。兄弟校ともいえる筑波大学付属駒場高校を上回る進学実績を上げたこともある。黄金期と比べると、進学実績で物足りなさはある。

大川校長は「少し危機感はありますね。いま、すごく立派なOBが各分野で活躍していますが、10年後、20年後はどうなんだろうと。ただ、最近は国もアクティブ・ラーニングを重視していますが、本校は設立以来ずっと、この授業のやり方が中心です。(20年に大学入試改革がありますが)これから再び追い風が吹くのではないでしょうか。それに我々は大学進学のみならず、その先のキャリアを考えた人材の教育をやっています」と話す。日本の政界、経済界、文化界などにきら星のごとき卒業生を送り込んできた日本屈指の名門校。自由の空気あふれる校舎から、さらに多様な人材を送り出そうとしている。

(代慶達也)

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