制服はなく私服。ラフな格好で、長髪の生徒もいる。放課後だからか、文化祭の準備をしたり、3~4人でバスケットをしたり、自由な雰囲気に満ちている。他の有名進学校とは違う独特の空気感が漂う。

東大首席の女性法律家、彼氏もいた高校時代

同校出身で東大法学部を首席で卒業、財務省、弁護士を経て東大大学院で家族法を専攻する山口真由さんは、「付属高はやはり育ちのいい子が多かったですね」という。

山口さんは札幌生まれで高校からの入学組とあって、最初は違和感があったようだが、サッカー部のマネジャーをやりながら、雰囲気に徐々に溶け込んだ。高3の春には1つ上の先輩の彼氏もいた。「私の場合、相手はもう大学生になっていたので、夏には大学受験に追われてもう無理という感じになりましたが、つきあっている男女は結構いました」と打ち明ける。

筑波大学付属高校の大川一郎校長

筑波大学教授を兼任する大川一郎校長は、「確かに自由でノビノビしている。先日、塾関係者に学校説明会をしたときに、塾の人から『この学校はいまどき貴重ですね』と驚いたようにいわれたけど……」と苦笑いする。

今、全国の有名進学校の受験熱は一段と高まっている。都立日比谷高校など大都市圏の公立高が復活、開成高校など私立の中高一貫校と東大や国公立大学医学部医学科の合格を激しく競っているが、「うちは大学受験のためだけの教育はしませんね。昔からそうですよ」と那須副校長はいう。

マルチな才能育つ

那須副校長もスーパー内部だ。筑付を出て音大でピアノを専攻。その後、都立の特別支援を経て、この付属高校で32年間にわたって音楽教師を務めている。筑付の生き字引だ。1つ下の後輩には旧大蔵省初の女性主計官になった参議院議員の片山さつき氏、1つ上の先輩には東大元副学長の野城智也教授、さらに先輩には女優の檀ふみさんがいた。「勉強だけでなく、スポーツも芸術もとか、今も昔もマルチな才能を持った生徒が多い」という。

筑付の那須和子副校長

確かに文武両道のスーパー高校生がたくさんいる。2015年のインターハイに女子走り幅跳びで出場した内山咲良さんは東大理科3類に現役合格した。「内山さんは、部活動も委員会活動も、国際交流も、何にでも熱心な生徒でした」(那須副校長)

お笑い芸人をしながら、東大法科大学院に通う大島育宙さんも卒業生だ。ボート部にも属し、ライバルの開成高校とレースで戦った。「僕はスーパー内部で中学時代にお笑いに目覚めたけど、ほかにも同級生が2人、先輩1人がお笑い芸人をやっています。今思うと多様性の学校ですね。全然勉強せず、授業中ズッと寝ている人もいれば、すごい秀才もいる」という。

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付属小学校は超人気校
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