危険なのはお金がかかる趣味が相互にリンクするケースです。例えば、「痛車(イタシャ)」(車に好きなアニメのキャラクターなどをオリジナルでラッピングする趣味)は面白いカルチャーだと思いますが、お金がかかるアニメ好きと、お金がかかる車好きという趣味がダブルでのしかかってきます。痛車ウォッチングをするのは楽しいのですが、家計は大丈夫か、つい心配になります。
マンガが趣味の私の場合、もう一つの趣味である街歩きはほとんどお金がかからない趣味です。仲間と歩いた場合でも実際にかかるのは打ち上げの飲み会予算くらいで、数カ月に1度くらいならたいした予算ではありません。これがマンガとバカンスという組み合わせなら家計は大変なことになっていたと思います。
バカンスが悪いわけではありません。あくまでも趣味の組み合わせの問題です。例えば、バカンス(年2回海外旅行)と読書(主に文庫本)なら問題ないでしょう。サイクリング(年数回レースに出る)と映画(隔週でシネコンに行く)もいいと思います。要は、お金がかかる趣味とかからない趣味をバランスよく持つのが趣味予算を抑えるポイントです。
時々「冷却期間」をつくってみる
趣味にお金をつぎ込みすぎる状態は「信者(あるいはお布施)」と呼ばれます。もがいても逃れられない様子も「沼」と例えられます。カメラにハマってレンズをいくつも買う人を「レンズ沼」に落ちたといったり、特定のゲームやアニメにハマって新作をすべて買い込む人を「○○の信者(あるいはお布施)」といったりします。
信者になった、ということはある種のマインドコントロールを受けているということです。趣味に人生を支配されるのはおかしな話です。立場は逆で、「趣味をあなたがコントロールして人生を豊かにする」のが本来の姿です。時々でいいので「冷却期間」を設け、趣味予算を1度ダイエットしてみるといいでしょう。
私にも以前「新作テレビゲームや新作アニメのDVDを初回限定版で買わなくては」という呪縛にとらわれて、月4万~5万円を費やしていた時期がありました。ところがせっかく買ってもDVDのほとんどは未開封でした。20歳代で経済的に厳しかったとき、試しに買い物を全停止してみたら、本当に欲しいものはその半分以下であったと気づかされました。
趣味に夢中になっていると、それはそれで楽しいのですが、家計のバランスを失ってしまう時期があります。時々意識的に予算を落とすことも長く趣味と付き合うためのマネーハックです。
