最新の「路線価」発表される 相続にどう役立てるか税理士 内藤 克

また公示価格は全国約2万5000の標準地で評価が行われていますが、路線価は原則として「すべての道路」が対象となっているため、公示価格とは別に国税庁が評価をしています。通常、不動産の売買を行う場合は近隣の売買事例をもとに実勢価格を計算して行いますが、そこに至るまでの間には路線価でおおよそのイメージをつかんで意思決定するケースが多いと思います。税額計算以外にも役立っているということです。

借地でも路線価を基に税額計算

相続税の計算では、路線価の数字に土地の面積を掛けて計算するのですが、土地の形状によっては「減額調整」をする場合があります。例えば間口が狭い、奥行きが長い、広大な土地であるなど、そのままでは使いにくいとか道路を引く必要があるといった場合は、その評価額を工夫することにより節税になるため、税理士の腕の差が現れるところです。それは新たな申告に限らず、過去の申告を見直すことによってもある程度減額できることがあるため、別の税理士に依頼して「減額更正」を行っているケースも見かけます。

また他人の土地を借りて、その上に自分で建物を建てて住んでいるような場合は、土地は所有していないが借地権を所有していることになります。この場合はその土地の路線価に借地権割合を乗じて「借地権の評価額」を計算し、申告します。自分の土地じゃないから相続税は関係ないよ、というわけにはいかないのです。

自宅の路線価を調べてみよう

国税庁の「路線価図・評価倍率表」サイト

パソコンやスマートフォンがあれば、よく報道されるエリアだけでなく、皆さんの自宅の路線価も簡単に調べることができます。国税庁の路線価のサイト「路線価図・評価倍率表」(http://www.rosenka.nta.go.jp/)には過去7年分のデータが並んでおり、一番新しいデータは画面最上部左端の「平成29年分(最新)」を押すと出てきます。実際の見方については国税庁本体のサイト(https://www.nta.go.jp/hp-tsukaikata/15.htm)にわかりやすく説明されています。

「相続なんて大分先だよ」と思っている方も多いでしょうが、そろそろだという方の中には「あらかじめ相続税額を把握しておきたい」「兄弟で分割する場合のために、大体の時価を知っておきたい」「将来売却するときのために財産価値を把握しておきたい」といったニーズは多いと思います。路線価図はそんなときにも役立ちます。

もっといえば、路線価はその発表のニュースなどをきっかけに、親と相続について語り合うチャンスでもあります。この機会に一度ご覧になってみることをお勧めします。

内藤克
税理士法人アーク&パートナーズ 代表・税理士。1962年生まれ、新潟県長岡市出身。97年に銀座で税理士・司法書士・社会保険労務士による共同事務所を開業。2010年に税理士法人アーク&パートナーズを設立。弁護士ら専門家と同族会社の事業承継を中心にコンサルティングを行っている。日本とハワイの税法に精通し、ハワイ税務のコンサルティングも行う。趣味はロックギター演奏。
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