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積立王子のヤング投資入門

下げても買いの積立投資家 手に汗握らず、長期で成果 積立王子のヤング投資入門(4)

2017/7/13

なけなしの100万円を一気に投じれば、値動きが気になってドキドキ、ハラハラしてしまうものですが、毎月の給料から1万円、2万円といった無理のない金額を出して投資を続けていくことは、手に汗握らず、誰でもできることです。

■下がった月は安く多く買える

繰り返しますが、積み立てとは毎月同じ金額で同じ投資対象を買い続けることです。株価にせよ投信の基準価額にせよ価格は日々上下を繰り返しますが、積み立てをコツコツ続けていると、自分の買値が気にならなくなります。

先ほどの例のように相場が下がっているときには安く購入することができますし、上がっているときには気分よく淡々と買っていけばいいのです。同じ金額を出し、同じリズムで同じ投資対象を買い続けていれば、やがて買値は上下を繰り返しながらも平準化されていくもの。そして毎月少額ずつならまとまった資金がまだないヤング世代でも、つまり誰でも長期投資を始められるわけです。

長期投資を続ける上での最大の敵は、実は心の弱さであって、とりわけ相場が下がったときに抱く恐怖という感情です。一方積み立てなら、下がったときこそバーゲンセールとばかり安く多めに仕込むことができて、その後相場が回復したときには、その増えた口数が将来の果実の大きな糧となるわけです。ここは是非わかっていただきたい点です。

このことがしっかり腑(ふ)に落ちていれば、「下がったらチャンス」とうれしく思えるような最強の長期投資家になれるだけでなく、20年、30年、さらには生涯にわたって安らかに投資を継続できるようになります。つまり「積み立て」は長期投資を続けていく上での最も頼もしい精神安定剤なのです。

むろん、前回お伝えした「長期的に価格は価値に収斂(しゅうれん)する」という法則が正しく機能するためには、ちゃんと継続的に成長する投資対象に資金を投じることが前提になります。成長が見込めない国の株式に大きな資金をつぎ込んだり、運用会社に見捨てられたゾンビ投信を後生大事に持っていたりしてもいいことはありません(投資対象の選び方は次回以降にまた詳しく解説します)。

■積立キングをめざそう

「長期・積み立て・分散投資」というように、金融庁が「積み立て」を投資行動3原則の一つとして挙げているのも、前述の通り、私たちが経済活動の中でお金をしっかり育てる長期資産形成を成就させる上で、積み立てが最適で有効な手段だからです。もちろん積立王子を自称する筆者自身も一人の生活者として、長い間コツコツたゆまず積立投資を実践し続けています。それは、そうすることによりやがてお金は使い切れないほど大きく育つに違いないと思っているからで、そうなった暁には「積立キング」と呼んでください(笑)。

今から始めるヤング世代の皆さんは「積立ヤング」として時間をたっぷり味方につけて長く続け、こぞって「積立キング」を目指しましょう。そしてその行動はあなたの老後だけでなく、巡り巡って日本経済をも明るくするのです。

中野晴啓
セゾン投信株式会社代表取締役社長。1963年生まれ。87年クレディセゾン入社。セゾングループ内で投資顧問事業を立ち上げ、運用責任者としてグループ資金の運用等を手がける。2006年セゾン投信(株)を設立。公益財団法人セゾン文化財団理事。一般社団法人投資信託協会理事。全国各地で年間150回講演やセミナーを行っている。『預金バカ』など著書多数。

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