「労働時間の経済分析」(山本勲・黒田祥子著。日本経済新聞出版社)によると、日本の男性は、米国の男性に比べて、週当たり労働時間が9時間長く、家事労働が8時間短く、日本の女性は睡眠が短いというデータがある。日本の男性の長時間労働は、女性の家事と睡眠の少なさに支えられている部分が多分にあるということだ。テレワークをすることで、男性の育児家事時間が増加し、結果として「女性の余暇や睡眠、あるいは労働参加できる時間が増加する」ことが期待できる。

疑問3.テレワークでサボっていないか、どうすればわかるのか?

こんなことを書くと身も蓋もないが、そもそも、なぜ経営者は従業員がサボっているかどうか知りたいのだろうか。日本企業は、プロセス評価(つまり仕事に対する姿勢として、「サボっている」とか「一生懸命やっている」)を重視する傾向が強い。確かに、「まじめに」「サボらず」仕事をすれば成果が上がる(そう見える)仕事もあるだろう。

ただし、同時に、そういった姿勢は、職場でも明確に測定されていないことがほとんどだ。この場合、職場でさえ測定していない「サボっていないかどうかの確認システム」を、わざわざテレワークのために導入する費用対効果はどれくらいのものだろうか? そして、それを担保できないことがテレワークを導入しない決定的な理由となるのだろうか? そもそも、働き方改革のキモは生産性の向上であり、成果評価をきちんとすることの方が大事なのではないか。

「全国就業実態パネル調査」の結果からは、しっかりとしたルールと仕組みのもとでテレワークを行えば、長時間労働にはならないし、生まれた時間は活用されるということがわかった。そして、サボっているかどうかは、働き方改革の本質ではないと、私は考える。では、テレワークが普及してきたとき、あなたはどんな働き方をしたいだろう?

私が考える、テレワーク普及による理想的な姿の一つは、「テレワークを活用して、成果を上げ、生まれた時間を家庭のために使う」。

今後、もし転職したり、社内で異動したりすることがあれば、ぜひ、テレワーク制度の有無と自分が対象になるかを確認してみてほしい。ちなみに、制度はあっても利用している従業員の割合がとても低いケースがあるので、利用率も確認が必要だ。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜更新です。次回は7月28日の予定です。連載は3人が交代で執筆します。

中尾隆一郎
リクルートワークス研究所副所長・主幹研究員。リクルートで営業部門、企画部門等の責任者を歴任、リクルートテクノロジーズ社長などを経て現職。著書に「転職できる営業マンには理由がある」(東洋経済新報社)、「リクルート流仕事ができる人の原理原則」(全日出版)など。

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