初対面でも印象に残る、信頼される顔テク&声テク
取引先や来客への対応、他部署の社員と仕事をするとき、転職や派遣先との面談など。初対面でも信頼され、一緒に仕事がしたいと思われる女性の秘密は、顔と声のテクニックにありました。
第一印象を変えてチャンスをつかむ
セミナーなどを通じ、幅広い年代の印象アップをサポートする金ヶ江悦子さん。ビジネスシーンでの第一印象の重要性を痛感したのは、就活生にトレーニングを行ったとき。「内定をもらえない受講生のほとんどが、猫背で声がよく聞こえない。そこで、姿勢を正し、ハキハキと話す訓練を数時間行いました」。すると、次々と就職先が決まったという。
これまでトレーニングを通じて、大きなチャンスをつかむ瞬間をたくさん見てきたという金ヶ江さん。「肩の所作を含めた顔とカラダの表情と、聞きやすく明るい声は、訓練で誰でも身に付けられるテクニックです」。
ここで紹介するあいさつと、顔&声のテクニックを身に付ければ、「一緒に仕事をしたい」と思われるはず。
【あなたはできている? 初対面でも印象に残る方法教えます】
「きちんとしている印象を与えるには、お辞儀や名刺交換をしながら同時にあいさつする『ながらあいさつ』をしないこと」と金ヶ江さん。一つひとつの動作を丁寧に行うこと。
□ あいさつの前に笑顔で相手にアイコンタクト
お辞儀の前に、相手の目をしっかり見て、「初めまして。○○です」とあいさつ。「笑顔が基本ですが、厳しい話の前は微笑程度など、TPOに合わせて」
□ 会釈は30度程度。深すぎないのが打ち解けた関係のコツ
「仕事で対等に話したい相手には、30度程度のお辞儀を。深々と頭を下げると、改まりすぎて、相手との間に距離をつくってしまいます」
□ 顔を上げたら再び笑顔でアイコンタクト
顔を上げたら、再びアイコンタクトを。「まつげで地面をすくい取るようなイメージで頭を上げると、優雅な雰囲気をつくれますよ」
名刺交換があるときは…
□ 1.笑顔でアイコンタクトしながら名刺を差し出す
自分の名刺を胸のすぐ下辺りに差し出し、静止した状態で、笑顔でアイコンタクト。自己紹介もこのときに。
□ 2.交換するタイミングは軽い会釈で、視線は交換し合う名刺に
名刺を持った手を前に少し出しつつ、30度程度のおじぎ。視線は交換する双方の名刺両方を見る。
□3.相手の名刺は一度しっかり読む
名刺を受け取ったら、上体を真っすぐ起こす。そのとき目は相手の名刺に。社名、肩書、名前をしっかり読む。
□4.丁寧に名刺を持ったまま笑顔でアイコンタクト
上体を真っすぐ起こした状態で、相手の名刺を両手で持ったまま、笑顔で相手とアイコンタクトを。
【家でできるトレーニング付き 第一印象をアップする4つの顔&声テク】
「暗い」「怖い」を改善 ……目力&眉力をアップ
「凝り固まった額の筋肉をほぐし、眉がしっかりと動くようにすると、話すときに自然に眉が動き、表情豊かに。目力もアップしますよ」
1.指で軽く額をマッサージする
おでこに保湿クリームを塗ってから、指で10回ほど小さい円を描くように動かし、額の筋肉をほぐす。
2.眉に力を入れて思いっ切り「持ち上げる」
目を見開くイメージで、眉を力いっぱい上げる。これを10回程度。「毎日続けると自然に眉が動くようになります」
「自信がなさそう」を改善 …… オーラ漂う「肩の表情」をつくる
「手を前でそろえると肩が前に出がちですが、それが自信なく見える原因に。肩を下げ、首を真上に伸ばすと、姿勢が美しく、優雅な印象に」
人に会う前など、緊張しているときは、肩の力を抜くストレッチを。「自分の席や客先のお手洗いなどで、コッソリ数回するだけで、ほぐれますよ」
肩は少し後ろに下げることを意識する。「デコルテを見せるイメージを持つと、自然に肩が左右に開きますよ」
「楽しくなさそう」を改善 …… 自然な笑顔と表情をつくる
「笑顔はTPOに合わせて、破顔から微笑までコントロール。鏡の前で口角を少しずつ上げて、角度ごとの印象の違いを研究しましょう」
「口の周りの筋肉を鍛えると、口角が上がります」。口の内側から舌先でほうれい線を、できる限り速く、左右交互に押す。これを10往復。すき間時間に。
「笑顔はもちろん、驚いたときなども、表情が大きく動くと明るい印象になります」。「〇〇社の〇〇です」など、普段の挨拶を動画に撮って確認しよう。
「印象が薄い」を改善 …… キャラクターに合った明るい声をつくる
「明るい声で、語尾を濁さず話すこと。なりたいイメージを色にして、頭に思い浮かべながら話すと、声色がそのイメージに近づきます」
この人に聞きました
トータルビューティーディレクター。2010年ミス・インターナショナル日本代表、世界大会第4位入賞。著書は『いるだけでなぜか視線を集める人の美しい所作のルール』(PHP研究所)など。
(日経ウーマン 岸本洋美)
[日経ウーマン 2017年7月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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