ダークスーツ一辺倒なんて思考停止 お洒落は工夫次第フリーアナウンサー 古舘伊知郎氏(上)

「婦人靴のノウハウを紳士靴に取り入れたっていいのに、縦割りになっていますよね。多様化した時代ですから、もっと『配置転換』や『人事交流』があってよい。そういう場所を『手作り工房』を通じて若く才能のある人たちに提供したい。僕は、もう60歳を過ぎていますし自分で作るのは無理ですが(苦笑)」

「『15年前に見た映画のワンシーンで登場したあのコートを、ここでなら作れる』というのを求めています。むしろ形崩れを狙って作ってもらってもいいんです。僕は着崩したいわけだから。たとえば、丈の短いカジュアルなピーコートを作ってもらいたい。超高いカシミヤでなく、ウールとカシミヤ混紡でいい」

――若い男性のファッションをどのように見ていますか。

「サラリーマンもいいかげん、ダークスーツ一辺倒をやめた方がいい」

「若い人を見てると『なんでダークスーツなの』って強く思う。昔はドブネズミとかいわれたけど、リクルートスーツとかダークスーツに身を包んで仕事に臨むのは、なぜだろう。僕は思考停止だと思う」

「金持ちの奥さんがフランス高級ブランドのバッグを半年待ちで手に入れて、何個持っているのかを自慢するのと同じでしょ。本当なら、自分の体形なんかから考えてどのバッグが似合うか、縫製はどうか、なめし革はどうかなんて吟味してたら長い時間がかかるはず。高級ブランドなら、大枚はたけば思考停止でも無難なものが手に入る」

■お洒落は工夫次第でいくらでも

「上司やお得意先に無礼にならず、『なんでこんな派手なもの』って違和感を覚えさせないでお洒落することは、いくらでもできる。たとえば紺や深いネイビーのジャケットで、ボタンホールだけ赤くステッチされているとか。ネクタイも結び方ひとつ。あまり個性をギラギラ出さないでも、十分に『かわいらしい格好しているね、この若い人は』って思わせることはできると思う」

「細身のスーツが今はやりだから、それをベースに1ポイント、2ポイントさらに3ポイント、お洒落することはできるんだから。色の合わせ方とか工夫は楽しい。色あわせはファッションの中でも相当な労力だけど、本当に楽しいと思うよ」

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