WOMAN SMART

白河桃子 すごい働き方革命

「4時間正社員」のストライプ 次の目標は残業5時間 ストライプインターナショナル 石川康晴社長インタビュー(前編)

2017/7/13

ストライプインターナショナル 石川康晴社長

 女性の労働力をあてにした企業は人手不足に悩んでいます。そんな中、いち早く「短時間正社員」に取り組んだのが、若い女性に人気のアパレルブランド「アース ミュージック&エコロジー」などを展開するストライプインターナショナル。「4時間正社員、6時間正社員」という多様な正社員制度で注目されました。同社は残業の大幅削減、短時間勤務制度や様々な休暇制度の導入などで成果を上げ、新制度を浸透させた後の「働き方改革・第2フェーズ」に移行しつつあるそうです。

 時短社員の増加による現場の不満をどう解決するか。本当に女性が活躍するためには何をすればいいのか。人手不足から脱却するためには何が必要か。改革の未来を先取りするストライプの石川康晴社長に詳しくお聞きしました。

■制度を導入しても、すぐには効果が出ない

白河桃子さん

白河(敬称略、以下同) ストライプのように、全国に多数の店舗を展開し、女性社員(特にライフイベント前の若い女性社員)をたくさん必要とする会社は、どこも人手不足の危機に陥っています。さらには、女性活躍に優しい会社ほど、現場から不満が噴出して「資生堂インパクト(育児中の短時間勤務社員は遅番や土日の勤務に入らないという勤務体系の習慣の変更)」のようなことが起こってしまいます。人手不足問題の一つの解となるのが、ストライプの「短時間勤務正社員」という試みだったと思うのです。そこに至るまでの道のりを教えてください。

石川 09年から11年にかけて会社が急成長する局面がありました。その頃、当社はまさに「モーレツ文化」で、夜中まで残業するのが当たり前になっていたのです。

 このままでは会社が持たないということに気付き、短時間勤務制度や様々な休暇制度を作ったり、残業時間を大幅に圧縮させたりという改革を積極的に進めていきました。

 現在、時短勤務制度を利用している正社員は、全体の15%。当社は全国に約900店舗展開しており、大体2~3店舗に1人は時短勤務社員がいる状況です。

白河 2~3店舗に1人とは、かなりの数ですよね。

「モーレツ文化」と決別し、積極的な改革を進めてきたという

石川 店舗での時短勤務制度が成功した理由は何かというと、妊娠しても退職しない「ママ社員」たちが社内にしっかり残り、これから結婚や出産をする社員たちの前例になってくれたことが大きいと思います。ママになっても会社で働き続けるためにアドバイスできる人が周辺にいるかどうかが、非常に大事なことだったんです。

 ただ、「会社に残ってもらう」「前例になってもらう」と言葉で言うのは簡単ですが、我々も制度を導入してから最初の3~4年はうまくいきませんでした。

 当社の時短勤務制度は、4時間、5時間、6時間から状況に応じて勤務時間が選択可能です。しかし、トップがいくら「この制度を取得してもいい」と言っても、メディアに「こういう制度がある」と公表しても、妊娠した女性社員たちは「どうせ取れないよね」「辞めなきゃいけないよね」と考えてしまって、結局何人も辞めていくというジレンマ期間があったんです。

白河 多くの企業は、働き方改革を始めてから1~3年間はそういった混乱期があるという話を聞きます。

石川 そうですね。社長や役員たちが、「その制度を利用してもいいんだよ」と根気強くアナウンスし続け、社員たちが「実際に利用した」という背中をちゃんとみんなに見せてくれれば、既婚者予備軍も結婚・出産後の働き方のイメージがつきやすくなります。

 この制度が本当に社内に浸透しだしたのが、導入の11年から3年ほどたった頃でした。制度を導入しても、すぐにはうまくいかないのです。

白河 トップが丁寧にアナウンスしても、それだけ時間がかかるんですね。

石川 「制度」と「運営の質」はワンセットです。いくら良い制度であっても、運営の質が悪ければ、定着に時間がかかります。

■短時間勤務正社員制度に、応募者が殺到した

白河 特に地方は人手不足が深刻です。その一方で、ブランド力のある企業に人が集中する傾向があると感じます。短時間勤務制度を導入したことで、地方で新たに入社する人が増えましたか。

石川 増えました。ただ、逆に増えすぎてしまって、4時間、6時間の正社員での入社希望者が我々の採用キャパシティーを超えてきたんです。

WOMAN SMART新着記事

ALL CHANNEL