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五輪開催費、なぜ膨れあがる 未来に役立つ投資なのか

2017/7/14 日本経済新聞 朝刊

 2020年東京五輪・パラリンピックの開催経費について、東京都や大会組織委員会が1兆3850億円とする数字をまとめた。内訳は競技会場などの施設整備関係が8350億円で大会運営(輸送、警備等)関係が5500億円。

 組織委と都が各6000億円、国が1500億円を負担する。残る350億円は都外に分散した会場に関わる輸送、警備費等で、関係自治体と都、組織委でこれから調整するという。

 この枠内で開催に関わる経費がすべて賄えるとはとても思えない。例えば関係自治体が会場施設の拡充や周辺道路の整備に資金を投じても、大会後も維持されるならこの枠に入らない。一方で、新国立競技場や都内の新設施設の整備は恒久施設でも含まれている。

 主に国が担うドーピング対策や警備対策の費用も枠外。大会期間中は全国で雑踏警備が強化されるが、その経費負担はどうなのか。誰もが快適に暮らせるバリアフリー化や多言語に対応した街づくりも進む。すべて大会のための経費とはいえないが、まったく無関係ではない。数え上げれば切りがない。こう考えると大会開催経費の試算など、役人による極めて便宜的な線引きであることが分かる。

 1964年東京五輪の開催経費は総額1兆円とされ、当時のGDP(国内総生産)は約30兆円。GDP比でみれば今なら15兆円以上になるだろうか。ただ、ここには東海道新幹線や首都高速、地下鉄網の整備費も含まれる。

 大事なことは机上の計算にすぎない開催経費の金額の大小ではない。それが今の東京や日本の将来のために役立つ有効な投資であるか否かを見極めることだ。

(編集委員 北川和徳)

[日本経済新聞朝刊2017年7月13日付]

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