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100円投信広がる 初心者を開拓、ポイントとの連携も

2017/7/11

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 投資信託を100円から購入できるようになったと聞きます。どんな投信でも購入できるのでしょうか。

◇  ◇  ◇

 投資信託は「1万円以上1円単位」で金額を指定して購入するのが一般的だが、ここ数年ネット証券を中心に最低購入金額の引き下げが進んでいる。特に積み立てについては500~1000円以上といった金額まで下がってきていた。

 この金額をさらに引き下げ、積み立てだけでなく通常の購入についても100円とする証券会社が増えている。楽天証券とSBI証券が5月下旬、松井証券、岡三オンライン証券が6月、マネックス証券は今月10日に相次ぎ実施。楽天とSBIは取り扱うほぼすべての投信、約2400本を対象にする。

 引き下げの狙いについて楽天証券の清野英介執行役員は「主に30歳代の若い世代の資産形成ニーズに対応する」と話す。少額投資非課税制度(NISA)や個人型確定拠出年金(iDeCo)の浸透で、投資を始める若年層が増えている。「資産形成したいのに投資は怖いと思っている人でも、100円であれば始めやすい」(清野氏)

 実際、「100円投信」開始後、楽天証券では投信を1000円未満で購入する人が現れ始め、購入者数が以前より2割ぐらい増えたという。6月に始めた岡三オンライン証券でも「500円単位で積み立てを始める人が目立つ」という。

 投資の中上級者にとっても、最低購入金額の引き下げによって「より細やかなポートフォリオ構築ができるようになる」(SBI証券)。投信の価格変動によって崩れた資産配分比率を元に戻す「リバランス」をする際、購入単位が小さいほうが配分比率を微調整しやすいからだ。

 松井証券はロボットアドバイザーが顧客に最適なポートフォリオを提案する「投信工房」との連携を狙う。投信工房は年齢や年収、資産運用の目的など8つの質問に答えると、その人にあったポートフォリオを提案するサービスで、30~40代の利用者が多いという。

 例えば国際分散投資を選択した場合、内外の株式や債券、不動産投資信託(REIT)などの指数に連動する約10本のインデックス投信でポートフォリオを組むため、ある程度まとまった資金が必要になる。100円単位で購入できれば、より低い購入金額で理想のポートフォリオに近づけることができる。

 ポイントサービスとの連携も始まる。楽天証券は8月末以降、ネット通販「楽天市場」などでたまる「楽天スーパーポイント」で、投信を購入できるようにする予定だ。「ポイントが100に満たない場合も、現金を追加して投信を買えるようにする」(清野氏)

 そもそも楽天証券が100円投信を打ち出した背景には、楽天スーパーポイントの保有者を資産運用の世界に呼び込むという狙いがある。100円投信をきっかけに様々なサービスが結びつけば、投資を身近に感じる機会がいっそう増えていくだろう。

[日本経済新聞朝刊2017年7月8日付]

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