検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

「ワタナベ芸人」が次々ブレイク 独自の育成術に秘密

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

平野ノラ、ブルゾンちえみ、サンシャイン池崎など、2017年のブレイク芸人ランキング(調査の詳細は「ブレイクした芸人、1位カズレーザー 2位古坂大魔王」をご覧ください)で勢いを見せつけたワタナベエンターテインメントに所属の「ワタナベ芸人」たち。「ブレイク」や「好き」に限らず、「嫌い」や「消える」でも順位を上げたり数を増やしており、それは今、彼らがいかにお笑い界をにぎわせているかを物語る。

ランキングに名前がない面々であっても、ネプチューン、ロッチ、バービー、澤部佑(ハライチ)など、ワタナベ芸人にはバラエティーに欠かせないメンバーがひしめき合っている。MC陣も多彩。『シューイチ』(日本テレビ系)の中山秀征、『ひるおび!』(TBS系)の恵俊彰、『PON!』(日本テレビ)のビビる大木、『5時に夢中!』(MX)のふかわりょうなど、各局の看板番組を担う顔ぶれが勢ぞろいだ。

好調の背景にあるものは何か。そこにはバラエティー番組におけるある変化と、ワタナベの社風が関係していそうだ。

あばれる君や平野ノラを担当するワタナベエンターテインメントの阿萬文則氏は、こんなことを打ち明ける。

「一昔前に比べると、若手がやりやすい状況になっている。平野ノラやブルゾンちえみをすごくフォローしてくれたり、他事務所の先輩芸人さんがみなさん、優しいんです」

今もないわけではないが、確かに90年代までは芸能事務所間の競争が激しかった。そんな時代はいつしか終わり、テレビを取り巻く環境も大きく変化。そこでお笑い芸人たちが一致団結しなければならなくなった事情もあるだろう。新しいスターが従来のような対立構造の中から生まれるのとは異なる形で登場するようになったのだ。

ひな壇を中心とするトークバラエティーの変化も影響していそう。少し前までは、互いに分かりあっている者同士がトークのパスを出し合っていたが、やがてそれは予定調和化し、飽きられるように。チームとしてのノリよりも個人の魅力を伝えることに力点が置かれるようになってきた。その結果、芸歴も事務所も関係なく「人として面白ければアリ」になり、人間力が立った芸人を多数擁するワタナベ芸人の躍進につながったと考えられる。

100人いたら100通り

では、タレントの個性を伸ばすために、事務所としてどのような育成方針を掲げているのか。

「養成所を運営している事務所は他にいくつもありますが、ワタナベでは1人ひとりの個性に合った出口を見つけようとしているのが特徴。コンセプトとして言うなら『100人いたら100通りのプロデュース』。その中で本人が気付いていなかった魅力までも引き出していく。特にここ数年は『中身のある人になりなさい』ということを強く伝えてきました。養成所だけでなくマネジャーも含め、会社全体で同じ方針を共有しています」(阿萬氏)

キャリアウーマンネタの中に自身の考え方が見え隠れしているブルゾンちえみ、バブルという現象を笑いのフィルターを通して見せる平野ノラ。外国人の目線で日本人が気付かなかったおかしなところを捉えている厚切りジェイソンなどは分かりやすい例だろう。最近活躍している面々は、表面的な一発ネタに終始しない。自身の内側からあふれたものを芸として昇華し、アウトプットしているのが共通点だ。

売れそうなタレントの見極めはどうしているのだろう。

養成所を卒業後、事務所に所属させるかどうかを決めるポイントについては「ネタの良し悪しだけでは選ばないようにしている。確実に残しているのは、キャラクターがある子や人間力がある子。今、ブレイクしている子たちも、辛抱強く見てきました」と阿萬氏は言う。

つまり、中身がある人物であれば、芸歴に関係なくどこかのタイミングで求められるチャンスがあるという考え方。最適な時に最適なタレントを送り込む準備を整えているのがワタナベ式のマネジメントだ。

とにかく客前に立つ

もう1つ力を入れているのが、場数を踏ませること。バラエティー番組のあるベテランプロデューサーがこう説明する。

「よしもとは2つの点で素晴らしいところがある。1つは劇場を持っていて、所属芸人が数多く舞台に立てるところ。テレビに出る前にバックグラウンドを作ることができるんです。もう1つは東京と大阪に大きい拠点があるところ。東京で全国ネットのテレビに出る前に、関西ローカルで場数を踏めるので、結果的に層が厚くなる。未知の者に場数を踏ませることによって地肩を付けさせているんです。そのような点を学び、定設の小屋を持たない東京のお笑い界も、事務所ライブや合同ライブを通じて経験値を高めているようです。ライブの数は驚くほど増えている実感があります」

地肩を付けさせている背景にはコストカットで、一番組あたりの放送作家の数が減ったことも影響している。

「今は自家発電できる人でないと使ってもらえない。これまではテレビ番組側がいっぱい燃料をくれていましたが、そのような番組は減少してきました。誰がやっても面白い企画じゃなくて、『この企画をあなたが面白くしてください』と言われる時代ですから」(前出プロデューサー)

中身のある者を採用し、劇場で地肩を付けさせる。そうしたシンプルなかけ算が、現在の好調ぶりを支えている。

講演会で大忙しのゴルゴ松本

一方で変わりゆく「芸人のゴール」に合わせたマネジメントも見逃せない。思えば以前はお笑い芸人の目標は冠番組を持つことだった。現在はそうした目標を口にする芸人は少なくなり、それぞれがどんなゴールに向かっていけばいいのかを模索しているのが実情だ。ワタナベは、そのゴールを芸人と二人三脚で見つけている。

例えばかつてテレビが主戦場だったゴルゴ松本。彼は今、『命の授業』と題して行う講演で全国各地から引く手あまただ。同講演は、自らの人生観に基づいて日本語や漢字を自己流に解釈していくもので、若者への強烈な生き方の指南となっている。また、IT企業役員でもある厚切りジェイソンは、企業セミナーのオファーがどんどん増えている。受験生向けの英語本なども執筆しており、幼児向け英語番組『えいごであそぼ』(Eテレ)のレギュラーを務めるなど、アカデミックな方向で活躍中だ。

アカデミックといえば、芸人ではないが、MCを含む6本のレギュラーを持つ林修もワタナベ所属。十人十色の売り出し方ができる手腕を見込んで、最近では落語家の立川志らくが本人からの申し出で所属になった。事務所のカラーはどんどん多彩になっている。

次世代芸人にも有望株が何組も控えている。Aマッソは、放送作家の倉本美津留や鈴木おさむら、バラエティー界の目利きたちが大注目する女性コンビ。四千頭身は、芸人発掘番組『新しい波24』(フジテレビ系)で早くも頭角を現している要注意トリオだ。また、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)の「イッタっきりシリーズ」に抜てきされた森山あすか、あばれる君の弟子として露出が増えてきたバッドナイス常田など、挙げたらキリがない。ワタナベ芸人の勢いはまだ続きそうな気配だ。

(ライター 遠藤敏文、木村尚恵)

[日経エンタテインメント! 2017年7月号の記事を再構成]

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_