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東大合格校に異変 公立トップへ横浜翠嵐の熱血教員団 神奈川県立横浜翠嵐高校の佐藤到校長に聞く

2017/7/16

「熱血教員団」が翠嵐躍進の原動力だ。東大合格者数の34人は、公立高校では45人の日比谷、37人の旭丘高校(愛知県)に次いで全国3位の実績だ。関東公立御三家と呼ばれる埼玉県立の浦和高校、千葉県立の千葉高校、そして地元の湘南高校を上回った。

■私立王国で公立2番手が躍進した理由

もともと翠嵐躍進のきっかけになったのは、神奈川県が東京都と同様に公立高の復権を掲げ、「進学重点校」制度を導入したからだ。07年に翠嵐は進学重点校10校のうちの1校に選ばれた。ただ、そもそも神奈川は「私立王国」。中高一貫の栄光学園と聖光学院、浅野学園が東大合格者を競い、人気の慶応義塾高校やフェリス女学院もある。

翠嵐の授業は教師と生徒の真剣勝負

一方、公立のトップは常に湘南高校だった。石原慎太郎元都知事などを輩出した名門校だ。翠嵐は旧横浜第二中学で、公立で2番手の進学校。1970~80年代に東大合格者は20人を超えた年もあったが、ジワジワ下がり、2000年には1人にまで減った。

しかし、翠嵐復活への地元の要望は強かった。JR横浜駅からバスで約10分の好立地にあるため、横浜市を核に県内のほぼ全域からの通学が可能だ。「横浜は比較的に所得面で余裕のある家庭が多かったが、1990年以降、景気が低迷してきたので、私立の中高一貫校に通わせるのはしんどくなってきた。公立の復権はありがたい。翠嵐の保護者は非常に教育熱心。学校説明もほぼ全員が出席、特に父親が目立つ」と2人の息子を翠嵐に通わせたある保護者は話す。

■サントリー新浪氏も卒業生

翠嵐の経済分野の卒業生には経営コンサルタントの大前研一氏やサントリーホールディングス(HD)社長の新浪剛史氏など情熱的なリーダーが少なくない。新浪氏は翠嵐時代にはバスケットボールの選手として活躍した。三菱商事に入社後、ハーバード大学のビジネススクールに留学。ローソン社長を経てサントリーHD社長となり、プロ経営者としての評価を高めている。実弟の新浪博士氏も翠嵐出身で、著名な心臓外科医だ。「新浪兄弟のように明朗活発な卒業生が多い」(佐藤校長)という。

翠嵐の1学年の定員は358人だ。17年の現役合格者数は、東大など国公立大学が146人。早稲田大学は119人、慶応義塾大学は98人。大手進学塾関係者は「翠嵐は今、最も気合いが入っている学校。公立進学校のトップに躍り出る可能性はある」という。佐藤校長の合言葉は先生と生徒が「すさまじい情熱」でがんばるだという。日比谷とともに公立高復活のシンボルとなった翠嵐。さらに飛躍しそうだ。

(代慶達也)

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