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新卒はANA、転職組はトヨタ 人気企業なぜ違う

2017/7/8

これらの企業には、平均年収が高いという共通点がある。有価証券報告書によると、キーエンスは1861万円。前期の1756万円からアップ。武田薬品工業が1015万円など、平均年収が1000万円を超える企業が多い。年収が高い人ほど、転職を考えるときにも待遇のよさを重視する傾向があるようだ。

リクルートキャリア就職みらい研究所が発表した「就職白書2017」によると、今年就職した学生たちが企業選びで最も重視したのは「業種」「勤務地」「職種」の順だった。「給与水準」と答えた学生は6.1%にとどまっている。一方で、DODA転職人気ランキングで、その会社に投票した理由は「やりがいのある仕事ができそう」(57.3%)に続いて「給与・待遇がよさそう」(55.8%)だった。学生と社会人の判断基準の違いは明らかだ。

■口コミ「やりがい」ランキング、外資系企業が上位に

職場環境の実態を知りたい――。学生が情報収集のツールとして利用するのが、企業の実態を紹介する「ヴォーカーズ」などの口コミサイトだ。外資系コンサルティング会社の内定を断り、大手ネット企業への入社を決めた慶応大4年の男子学生も、「口コミサイトを見たら、断った会社のほうが評判よくて……。ちょっと揺れた」と不安そうだ。

サイトを運営するヴォーカーズ(東京・渋谷)は毎年、集まった口コミから総合的に評価した「働きがいのある会社」を発表している。2017年では、1位がプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン、2位にセールスフォース・ドットコム、3位にリクルートマネジメントソリューションズ、4位にグーグルと続き、ベスト10に外資系企業が6社並んだ。IT関連企業は4社だった。

■顔ぶれの違いはどこから?

転職人気ランキングと学生の人気ランキングでこれほど大きな違いが生まれるのは、なぜだろう。

トヨタ自動車は転職先人気企業のトップを走る

「学生はANAなど交通インフラ系や金融大手のように、知名度が高くて安定感のある会社を選びがちだ。グーグルはブランド力は高いが、大量採用はしておらず、トップクラスの大学生以外には『手の届かない会社』というイメージが強いのだろう。一方、転職者には、待遇面からもぜひ挑戦したい会社と映るのではないか」(大手人材サービス会社幹部)という。

転職ランキングを見るうえで、注意すべきポイントもある。採用市場に詳しい人材研究所(東京・港)の曽和利光社長は「新卒から育成することを重視する戦略をとっているため、中途採用の求人市場で名前が出てこない会社もある」という。そういった企業は、転職者向けの広告を出さないので認知度が低くなり、ランキングには登場しにくくなる。金融大手は特にその傾向が強いという。

積極的に中途採用を行う企業は、急成長のさなかだったり、特定の部署の拡大を目指していたりする可能性が高い。転職人気ランキングの上位にある会社だからといって、理想の就職先とは限らない。ただ、キャリアを一定以上積み上げた転職者の動向は、学生が就職を考える上でも重要なヒントになるだろう。

(松本千恵)

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