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おひとりさまも大歓迎 気軽に寄れるビアガーデン 平成ビアガーデン事情(第4回)

2017/7/11

日本橋に2016年誕生した「BETTARA STAND 日本橋(べったらすたんど日本橋)」はふらり立ち寄って飲める空間

 「おひとりさま」という言葉が定着してから10年以上が経過した。外食・娯楽産業が「おひとりさま」に向けるまなざしは依然熱く、最近では一人で利用しにくい場所のほうが少なくなっているのかもしれない。若い女性が単身で立ち飲み居酒屋に立ち寄りジョッキを傾けることができる自由な時代だ。

 とはいえ、まだまだ一般人には「おひとりさま」利用のハードルが高い場所もある。「ビアガーデン」もそのひとつだ。その昔、ドラマ『結婚できない男』で阿部寛演じる主人公がひとりでビアガーデンを訪れるシーンがあり、「あれだけは無理!」と話題になった。

東急プラザ表参道原宿屋上「おもはらビアフォレスト」は好きな場所に自由に座ってくつろげる

 そんな「最後の難関」だったビアガーデンにも、遂におひとりさまブームが押し寄せてきた。

 首都圏でその先鞭(せんべん)をつけたのは、西新宿のヒルトン東京だ。2014年に開催した「天空のビアガーデン」では、会場最奥部におひとりさま専用席が設けられた。外周に沿ったカウンター席で、目の前には高層ビル街の夜景。グループ客で賑わうメインスペースに背を向けているため、人目も気にならない。

「ヒルトン東京」の長いカウンター席は夜景を満喫したい人の特等席

 この席は大きな話題となり、もともと見込んでいた「単身ビジネス宿泊客」だけでなく、ひとりで他人に気兼ねなくビアガーデンを楽しみたい人が多く集った。2016年以降は、さらに長いカウンター立ち飲み席が用意されている。

 仕事帰りにふらりと立ち寄り、ひとりでも人目を気にせず飲める「おひとりさま向き」「おひとりさま歓迎」のビアガーデン・ビアテラスを紹介しよう。

■東京駅の駅舎を見下ろすロケーション

 JR東京駅丸の内口側で「軽く一杯」ということなら、新丸ビル7階の飲食フロア「丸の内ハウス」のテラス席で2016年から始まったビアテラスがおススメだ。丸の内エリアで働く人たちがランチタイム後などに休憩をとる開放的なテラスで、植え込みの周りを木製のベンチが囲み、東京駅丸の内駅舎を見下ろせる一角。デートスポットとしても穴場的な店だ。

ビアテラス in 丸の内ハウス 2017

 ユニークなのがそのシステム。屋内にある個性豊かな飲食店9店舗からビールや料理をキャッシュオンデリバリー方式で購入し、テラスの好きな席に自分で運ぶ。もちろん別々の店舗から料理を運んでくるのもOK。平日は11時オープンなので、仕事中でなければランチビールもできる。旅行者にとっては格好の赤れんが駅舎撮影スポット、足休めついでに冷たいビールを一杯なんてのも素敵だ。

ビアテラス in 丸の内ハウス 2017(テイクアウト専用メニュー)

 夕方以降は、スマホの画面を見ながらひとりビールを飲むスーツ女性の姿も見られる。ライトアップされた東京駅や、周辺を取り囲む高層ビル群の夜景は見事。開始2年目でまだ知られていないのか、日中や夕方早めの時間帯なら空いている。東京への出張帰りに時間が余った方も、ぜひ立ち寄ってほしい。皇居から吹く風も心地良い。

●ビアテラス in 丸の内ハウス 2017
[住所] 東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸ビル7階
[電話] 03-5218-5100
[期間] 2017/05/26~09/29
http://www.marunouchi-house.com/event/2017/04/13097/

■公園のようなビルの屋上でひとりクラフトビール

 同じくキャッシュオンデリバリー方式で、「ひとりでちょっと立ち寄って飲みたい」というニーズを満たしてくれるのが、東京メトロ明治神宮前駅やJR原宿駅からも近い東急プラザ表参道原宿の屋上テラス「おもはらの森」。

おもはらビアフォレスト

 中央部分が低く、外に向かって階段状になった空間はまるで円形劇場のよう。大きな木々が植えられた屋上スペースには、さまざまなデザインの椅子やベンチが点在しており、サマーベッドで気持ちよさそうにくつろいでいる人や、ベンチで昼寝している人などもいて公園のように使われている。場所柄カップルが多いが、一人で利用している人も少なくない。

おもはらビアフォレスト

 運営はヤッホーブルーイングで、「よなよなエール」「水曜日のネコ」など同社のバラエティーに富んだクラフトビールを楽しめる。

 最近の原宿は外国人観光客も多く集まり、周辺のカフェはどこも混みあっている。そんな中、階段部分も含め好きな場所に自由に座ってビールが飲めるこの場所を知っておくと便利だろう。映画上映などの期間限定イベントも開催される。

●OMOHARA BEER FOREST(おもはらビアフォレスト)by YONA YONA BEER WORKS
[住所] 東京都渋谷区神宮前4-30-3 東急プラザ表参道原宿 6階屋上テラス「おもはらの森」
[電話] ――
[期間] 2017/04/28~05/07 06/16~09/10
http://omohara.tokyu-plaza.com/event/detail_4416.html
http://yonayonabeerworks.com/

■地域のコミュニティー空間で新たな出会いも

 最新の注目スポットが小伝馬町や新日本橋の駅から近い「BETTARA STAND 日本橋」。駐車場の跡地を活用して2016年に作られた半屋外のイベントスペースで、地域のコミュニティー空間的役割も担っている。夏の間はビアガーデンにもなっており、クラフトビールや日本酒が飲める。

BETTARA STAND 日本橋(べったらすたんど日本橋)

 「おひとりさま歓迎」をうたっており、実際行ってみると女性ひとりでも気兼ねなく利用できる場所だ。大きなテーブルは相席が前提になっていて、賑わってくると立ち飲み席もできる。誰でも参加できるイベントも頻繁に開催されており、最初はそうしたイベントの参加を兼ねて訪れてみてもいいだろう。スタッフは皆気さく、オープンな雰囲気が漂っており、常連らしき人たちの交流を見ると、近くにこんなスペースがある近隣企業の人たちがうらやましく思えてくるほどだ。

BETTARA STAND 日本橋(べったらすたんど日本橋)

 日本全国のクラフトビールが約20種類。日本酒も同じくらいそろっており、利き酒セットも用意されている。

●BETTARA STAND 日本橋(べったらすたんど日本橋)
[住所] 東京都中央区日本橋本町3-10-1
[電話] 080-9402-5960
[期間] 2017/06/01~10月下旬
http://bettara.jp/

■芝生に寝ころんでビールを楽しめる

 楽天本社なども入居する巨大複合施設の二子玉川ライズで開催されているのがサントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」各種が飲めるお洒落ビアガーデン。中央広場の一角を区切って作られた会場内には、屋根付きのカントリー風木製テーブルあり、おひとりさまにもうれしい大きなテーブルあり、芝生エリアありで、なかなか凝ったスタイリッシュな空間となっている。

プレミアム ビア ファーム(二子玉川ライズ)

 ひとり利用の人にもぜひ体験してほしいのが芝生エリア。2016年の2倍の面積に拡張したという芝生は自由に入って利用でき、ある人は靴も脱いで直接座り、ある人は借りたシートを敷いてごろり寝転がりと、思い思いの体勢でくつろいでいる。もちろんここも客席の一部。販売カウンターで購入してきたビールや料理を運んでくれば週末ピクニック気分だ。

プレミアム ビア ファーム(二子玉川ライズ)(写真は2016年撮影)

 人気は1200円のテイスティングセットで、「ザ・プレミアム・モルツ」「ザ・プレミアム・モルツ 香るエール」「マスターズドリーム」の3種類におつまみ付き。料理も凝っていて、ひとりでも数種類注文可能なプチ量のものが多いのもうれしい。

●Premium BEER FARM プレミアム ビア ファーム(二子玉川ライズ)
[住所] 東京都世田谷区玉川2-21-1
[電話] 03-3709-9109
[期間] 2017/04/26~09/03
http://premium-beerfarm.com/

◇  ◇  ◇

 4回にわたって昨今のビアガーデン事情およびお東京&近郊ビアガーデンをセレクトして紹介してきたが、どこか気になる場所はあっただろうか。

 関東甲信越の梅雨明け宣言がでれば、人気ビアガーデンは一気に行列ができるほど混み合う。ただハイシーズンはそう長くはなく、8月に入り月遅れ盆が近くなればまた落ち着いてくるはずだ。そして9月10月も開催する「秋ビアガーデン」も増えている。

 短い夏をもっともっと楽しみたい!そんな方はぜひ今シーズン、誰か誘って、あるいはひとりで、「最先端」の平成版ビアガーデンを訪れてみてほしい。

(ライター 和田亜希子)

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