積み立て投資 成否分ける悲観相場で続ける「我慢力」QUICK資産運用研究所 北澤千秋

 グラフCは16年末時点での積み立ての成果だ。リーマン危機後の世界的な株価の回復を受けて、95年以後のいずれの年に積み立て投資を開始したケースでも損益はプラスになっていた。積み立て投資は「継続こそ力」であることを示している。

 では、日本株(日経平均)以外の資産に投資しても同じような成果は出るのだろうか。そこで、日本株を除く世界の株式で構成するMSCI-KOKUSAI(円建て)に投資したケースを試算してみた(グラフD)。

 結果を見ると、日経平均に積み立て投資したときとほぼ同じだった。やはり、ITバブルの前後に積み立てを始めた場合は10年後の損益はマイナスだったが、16年末時点では95年以後、どの年に積み立てをスタートしても利益が出ていた。

対象資産の選び方も大事

 ただし、利益の額を比べると、日経平均よりもMSCI-KOKUSAI(円建て)を対象にした方が全般的に大きかった。95年から16年までの相場は、日経平均がほぼボックス圏で推移していたのに対し、MSCI-KOKUSAI(円建て)は長期的には右肩上がりだったのを映している。

 積み立て投資では、投資対象にどんな資産を選ぶかが成果を大きく左右する。一般論だが、20年、30年と積み立て投資を続けるなら価格の変動率が大きいほうがいい。安値でたくさん買える一方、高値では少ししか買えないため、高値づかみを回避するという、定時定額投資ならではの効果が生きるからだ。

 一方、積み立て期間が10年程度と短い場合や、たとえ一時的でも含み損の状態は避けたいという人は、価格変動率の小さいバランス型投信などに投資したほうがいい。

 いずれにしても、積み立て投資では相場の下落を極端に恐れるべきではない。逆に、大きな下落局面は安値で仕込む好機ととらえるぐらいの心構えが望ましい。積み立て投資の成否を分けるのは、リーマン危機のような、誰もが悲観的になる市場環境のときに続けられるかどうかだ。過去の例を見ると、長期で報われたのは、そんなときにもめげない我慢強い人々だった。

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