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積み立て投資 成否分ける悲観相場で続ける「我慢力」 QUICK資産運用研究所 北澤千秋

2017/7/5

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 個人型確定拠出年金(愛称iDeCo)の加入対象者の拡大や、来年1月のつみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)のスタートをきっかけに、積み立て投資に対する関心が高まってきた。積み立て投資は投資のタイミングに迷うことなく、少額から取り組めるという点で、これから資産づくりを始める人々に向いている。

 しかし、株式など価格変動のある資産に投資する場合、相場次第で10年、20年と積み立てを続けても資産が増えるどころか目減りする、というケースもあり得る。途中で投げ出すハメに陥らないためには、どんな心構えで始めたらいいのだろう。

■10年後に含み損、諦めてはもったいない

 まず、グラフAを見てほしい。1995年以後、毎年1月から日経平均株価に連動する投資信託や上場投信(ETF)に毎月末、1万円ずつ積み立て投資をしたときの10年後の損益だ(売買手数料は考慮せず)。例えば、95年に積み立てをスタートした場合、10年後の2004年末時点で積み立て元本の120万円(=1万円×12カ月×10年)を時価評価すると約100万円で、19万円超の含み損になっていた。

 結果をみると、バブル崩壊の影響が色濃く残る95年と、IT(情報技術)バブル崩壊前後の99~03年に積み立てを始めたケースでは、軒並み10年後の損益がマイナスだった。最悪なのはITバブルの頂点だった99年に投資を始めた例で、含み損は36万円に達した。

 10年も頑張ってコツコツ投資を実践したのに結果がマイナスでは、心が萎えてしまいそうになる。しかし、諦めるのは禁物だ。老後のための資金づくりが目的でiDeCoやつみたてNISAを利用するなら、10年程度で積み立てを放棄してしまうのはもったいない。資産形成は10年単位で取り組む家計の一大事業なのだから、果報もじっくり腰を据えて待つほうがいい。

■効果大きい下落局面での安値買い

 グラフBは同じ積み立て投資を15年、20年続けた結果だ。ITバブル前後に積み立てを始めたケースを見ると、15年後には軒並み損益がプラスに浮上していた。ITバブルの崩壊後、そしてリーマン危機の前後に相場が大きく下がった局面で、着実に安値で投信(ETF)を買えたのが奏功し、その後の株価上昇の恩恵を享受できた。

 一方、95~97年に投資を始めたケースでは、15年後は損益が水面下に沈んでしまった。ITバブルのときに高値づかみをして、投信(ETF)の平均購入単価が上昇してしまったためだ。しかし、20年後を見ると、再び損益はプラスに転じている。その後、ITバブル崩壊、リーマン危機という2回の大きな相場の下落局面で投信(ETF)を安く買い、平均購入単価を大きく下げた効果が出た。

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