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宮城県石巻市の家具メーカー「石巻工房」は、2011年の東日本大震災をきっかけに誕生した。「 DIY ( Do it Yourself=必要なものは自分たちで作ろう)」をコンセプトに、特殊な材料や工具を一切使用せず作られた家具は、シンプルかつ機能的。ヤフーのオフィスやブルーボトルコーヒーの店舗などにも採用されている。工房の立ち上げ時から家具作りに関わり、現在は代表取締役も務める千葉隆博氏は地元の元すし職人。そんな彼がつくる家具がなぜ今、国内外で人気を呼んでいるのだろうか。

◇   ◇   ◇

子どもの頃、実家がすし屋を営んでいたもので夜間、両親は店に出ていてほとんど家にいなかったんです。きょうだいもおりませんでしたから、空想にふけったり、おもちゃをいじったりして、ひとり遊びをして過ごすのが得意でした。

それと小学生の頃はよく、家にある洗濯機やラジカセをドライバーで分解していましたね。店で使うおしぼりを、毎日、家の洗濯機で洗うのですが、糸くずが詰まって動かなくなることがあったんです。そんな時はよくバラして直していました。「あれっ、ネジが2本余っちゃった」なんてことも、ありましたけれど。

アウトドアの雑誌を読み、ログビルダーに憧れる

もともと手先は器用な方だったと思います。うちの親父も器用。小さな店でしたけれど、隙間をうまく活用して棚を作ったりしていました。

中学生になると、アウトドア系の雑誌を読みふけっていた。その頃はよく自転車で旅をする話が載っていた。ちょうど自転車に乗り始めた頃でしたから、「どこか遠くへ行きてえな」と夢見たり、キャンプに憧れたり。ただし実際には行かなかったんですよ、これが。

アウトドア用のナイフとか寝袋、コッヘルセット、ってつまりあの、キャンプで使う調理器具ですが、そういうアイテムを集めて行った気分になり、いろいろと想像しながらほくそ笑む。そんな子でした。

ログハウスに憧れたのも、その延長線上です。雑誌をめくっていると、ログハウスの前でみんなで楽しそうにバーベキューをしているような写真が出てくるわけです。いいなあ、こんな家を造りたいなと思って調べたら、「ログビルダー」という職業があることがわかった。短絡的に「ログハウスといえば北海道だろう」と思い浮かび、地元の高校を卒業すると、北海道にある建築系の専門学校へ進学しました。

初日、「ログハウスなら信州じゃない?」と言われる

設計に関する基礎的なことは一応、その専門学校で習ったのですが、じつは初日から担任の先生に「ログハウスって、北海道はあまり盛んじゃないんだよね」と言われまして。「盛んなのは信州とか、飛騨高山とか、あの辺じゃないかな」と。

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