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どうなる梅雨末期~猛暑と少雨、豪雨が同居 編集委員・気象予報士 安藤淳

2017/7/3

 7月に入り梅雨本番の時期だが、今年は早くも梅雨明けを思わせる暑さになっている地域も多い。一方、九州や北陸、東北では局地的な豪雨があり、一部で被害も出た。上空を流れる偏西風の蛇行と、インド洋西部の高温などの影響が重なった結果とみられる。梅雨末期へ向けて、猛暑と少雨、ゲリラ豪雨が混在した予報の難しいケースも増えそうだ。

 気象庁は6月26日、29日の2度にわたって「異常天候早期警戒情報」を出した。広い地域で1週間の平均気温が平年より「かなり高い」状況になると見込まれたからだ。6月下旬の雨の少ない「空梅雨」ぎみの状況がいったんは解消し、九州などでは大雨も降った。しかし太平洋高気圧が強まって梅雨前線が北上し、再び気温が上がりやすくなる見通しだという。

 7月の前半はどのくらい暑くなるのだろうか。気象庁は東京など関東各地で35度以上の猛暑日になる日があると予想する。しばらくの間、30度以上の真夏日も多くなるのは確実とみている。北海道でも真夏日に近づく日が何回かありそうだ。

 その原因の一つが、梅雨前線の位置や活発さを左右する上空の偏西風だ。今シーズンは、この偏西風に独特のクセがある。

 偏西風は北の比較的冷たい空気と暖かい空気の境目付近を吹くが、今年は全体として弱い。北も南も気温が高めで、境目がはっきりしないのが一因とみられる。つまり北半球全体の気温が高めなのだ。背景には、じわじわ進む地球温暖化もあるかもしれない。偏西風が弱いために、梅雨前線も不活発になりやすかった。

 もう一つのクセは、偏西風が割合はっきりと蛇行していることだ。6月下旬、一時的に偏西風が日本付近で南へ向かう流れになったため、日本の南岸に梅雨前線が停滞し曇りや雨の天気をもたらした日もあった。上空には時折、寒気が入って激しい雷や突風、ひょうに見舞われた地域もある。

 ところが7月は偏西風の流れが変わり、それまでとは逆に日本付近ではやや北向きになる見通しだ。気象庁の見立てでは、偏西風に頭を押さえられていた形の太平洋高気圧が北へ勢力を広げ、前線も北上して高温傾向がはっきりする。天気図としては、ほとんど真夏と変わらないパターンになる公算が大きい。湿った空気が残っている影響で、からりとした暑さではなく蒸し暑い天気の日が多くなりそうだ。

 北半球の中・高緯度を流れる偏西風は地形や大気の様々な波が引き金となって蛇行する。6月にフランスやドイツで記録的な暑さとなったのも、根っこは日本の暑さと同じだ。欧州に暑さをもたらした蛇行部分が、少し形を変えながら日本付近にやってきたともいえる。蛇行自体は珍しくないが、梅雨のさなかに日本付近で前線が押し上げられてしまうと場所によっては降水量が大きく減ってしまい、感覚的にも空梅雨の印象が強まる。

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