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円安阻む「4つのI」 年後半、外貨の一気買い避ける

2017/7/9

国際軍事情勢も為替相場を左右する(4日午後、東京都千代田区)

 2017年後半の為替相場がスタートする。円高が進んだ17年前半には、外貨建て運用で苦戦した個人投資家も多かったというが、年後半はどうか。円・ドル相場を取り巻く状況を見渡すと、円安を阻みそうな「4つのI」という要素があることがわかる。ドル買いでスムーズに利益を得られるかには依然不透明さが消えていないようだ。

 今年の円・ドル相場は1ドル=117円程度で始まった。その後、米長期金利の低下や北朝鮮情勢の緊張などを背景に円は一時108円台に上昇。足元でも年初に比べて円高方向の水準にある。

 図Bは今年、円高基調の中で外国為替証拠金取引(FX)の投資家がどう動いたかを示す事例だ。2つとも有力FX会社4社(GMOクリック証券、外為どっとコム、セントラル短資FX、マネーパートナーズ)のデータを集計した。

■逆張りで苦戦

 円高・ドル安を受けてドルの買い越しがいったん増えた後、円高がさらに進んで買い越しが減っている。逆張りのドル買いをしたものの想定外の円高で損失確定のドル売りを迫られたようで、「苦戦した人が多かった」(外為どっとコム総合研究所の神田卓也氏)。

 年後半に巻き返しを図りたいところだろうが、ドル買いのポジション(持ち高)を抱える際には引き続き注意が必要なようだ。円安を阻んだり、円高圧力をかけたりする要素が多いからだ。次ページの表Aで「4つのI」と整理した。

 まず米国の長期金利(Interest rate)だ。米連邦準備理事会(FRB)は昨年12月、今年3月、6月と着実に利上げを重ねてきたが、米長期金利の指標となる10年物国債利回りは逆に低下傾向を示してきた。債券市場では逆に「利下げ」が進行し、ドルに下落圧力をかけた(グラフC参照)。

 この「利下げ」が発するメッセージとは何か。FRBが想定する「年内にもう1回、来年も3回」という利上げペースに市場は懐疑的ということだ。理由は米経済に対する慎重な見方だ。米景気は拡大を始めて8年。市場は徐々に、景気が後退に転じるタイミングを探るようになっている。

 最近では自動車販売や住宅関連で弱い指標が出ている。長期金利の低下傾向が続くようならドルは買われにくい。

 足元で欧州発の金利上昇圧力が米国にも波及しているが、この動きが持続的なものなのかはまだわからない。いずれにせよ米長期金利の動向に要注意だ。

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