03年から車いすバスケ女子の国際親善大会が行われている大阪市は、各国代表選手との地域交流会を毎年開催している。今年2月も小学校5校と中学校3校が授業の一環として交流会を行った。

このうち市立喜連西小学校(平野区)は4年生74人が「総合的な学習の時間」で英国代表の5選手と交流。選手とは身ぶり手ぶりでコミュニケーションをとった。授業を担当した藤岡愛子教諭(44)は「英語が分からなくても意思疎通できて、うれしそうだった」と振り返る。

16年10月にも、主に視覚障害者がプレーするブラインドサッカーの選手を招いて授業を実施した。藤岡教諭は「スポーツは障害も言語も関係ないということを児童に感じてもらう良い機会になる」と意義を語る。

体育の実技としてパラスポーツを導入する動きもある。千葉市は今年度から、ゴールボールを市内の小学校6校で、座った状態で行う「シッティングバレーボール」を中学校6校で採用することを検討している。

モデル校を選定して夏休み以降から順次導入する予定で、20年には市内の全校に広げる方針という。車いすバスケも今年度から小中学校1校ずつで授業に採り入れる予定だ。

同市では東京パラリンピックで、ゴールボールやシッティングバレーボールを含む4競技が行われる予定。市教育委員会保健体育課の担当者は「子供たちにパラスポーツの魅力を知ってもらい、障害や多様性への理解促進につなげたい」と話す。

体験の場、学校以外にも拡大

学校以外でも一般の人がパラスポーツを体験できる機会は増えつつある。

スポーツ庁の調査によると、主催する市民運動会などでパラスポーツを体験できる場を設けたのは、11年度の3都県から15年度は10県に増えた。アスリートとの交流会などを行う例も10都道府県から19都府県に増加。高齢者を含め誰もが参加できるスポーツとしてパラスポーツを捉える考え方が広がっているようだ。

競技団体は年々増加し、現在では60以上。16年に広島県と徳島県でパラスポーツ協会が設立され、全都道府県に協会ができた。

同庁の有識者会議が16年3月末にまとめた報告書は「体験の場を提供することは認知度向上に重要な役割を果たす」としており、各競技団体や地域団体が子供のみならず保護者や一般市民の参加を促している。一方で同報告書は、障害者自身がスポーツに参加する環境が不十分であることや、協会など推進団体に専任職員が少ないことを課題として挙げている。

[日本経済新聞夕刊2017年6月30日付]