卵の丸さ、飛行能力で決まる? 鳥1400種から解明

日経ナショナル ジオグラフィック社

2017/7/10
現生のダチョウ(右下)と、絶滅した巨鳥エピオルニスの卵(左)。手で持っているのはハチドリの卵で、ジェリービーンズほどの小ささ。(PHOTOGRAPH BY FRANS LANTING, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)

続いて研究チームは、似たような形の卵を産む鳥の餌や巣、解剖学的構造に共通点があるのかどうか調べた。

そのなかには、鳥の飛行効率と移動能力を表す「ハンド・ウイング指数」もあった。加えて、出生地から別の場所へ渡りを行う能力も考慮した。

その結果、卵の形は産む数や環境要因、巣の特徴などと関係がない一方で、「ハンド・ウイング指数」が最も高い、つまり最も効率的に飛べる鳥は、卵の非対称性または楕円率が最も高いことがわかった。

「さまざまな形の卵があることについて、最もうまく説明できる要素が飛行能力だとわかり、私たちはショックを受けました」と、ストッダード氏は話している。

「これまでいくつもの説が出されてきましたが、こうした要因はあまり考えられてきませんでした」

北米にいる海鳥の一種、ウミガラスの卵はとがり方が顕著だ。(PHOTOGRAPH BY FRANS LANTING, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)

流線形の体になったため?

今回の結果は、鳥がより高い飛行能力を獲得するように進化する中で、卵の形もそれに適応してきた可能性を示す。

特定の形と飛行能力の高さがなぜ相関するのか、ストッダード氏はわからないとしている。だが推測として、卵の形は、体が流線形になるほど細長かったり、とがった形になったりするのではないかと話した。

例えば、セレベスツカツクリは、高い飛行能力を得るよう進化し、その過程で卵も長い楕円形に進化した可能性がある。流線形の体は即座に飛び立つのに適している。

英ケンブリッジ大学の進化生物学者で、この論文を別の記事で紹介したクレア・スポッティスウッド氏は、「多様に進化した自然の説明として、今回の成果はとても有用な情報です」と評価する。

「新たな疑問が多く生まれるという点でも、刺激的です」

米ネブラスカ州立大学博物館の卵コレクションは、鳥の卵にも違いが大きいことを実感させてくれる。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)

飛ばないペンギンの卵はなぜとがっている?

ストッダード氏らの説に基づけば、飛ばない鳥はいずれも丸くてとがっていない卵を産むという想定ができそうだ。例えば、ダチョウの卵は丸い。

ところがペンギンは、飛行能力の高い鳥に多いとがった卵を産む。ストッダード氏らの現時点での仮説は、「ペンギンは水中での力強い『飛行』に適応してきたからでは」というものだ。

「ペンギンたちは泳ぎの達人ですから、飛行能力の高い鳥において卵の形に影響したのと同じプロセスが、彼らにも働いているのかもしれません」

(文 Hannah Lang、訳 高野夏美、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック 2017年6月27日付記事を再構成]

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