海外旅行の医療費は数百万円!? クレカ保険に上乗せも

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海外旅行で病気やケガなどのアクシデントに見舞われると日本とはケタ違いのお金がかかる。自分と家族にとって必要十分な海外旅行保険の補償プランを知っておきたい。

妻と子ども1人をつれて親子3人でのハワイ旅行を考えてみよう。6日間の日程で、サンゴ礁の海でシュノーケリングを楽しみたい。損害保険会社サイトで「ハワイ」「6日間」「大人2人・子ども1人」といった条件を入力すれば、補償プランが出てくるが、早まってはいけない。まず自分のクレジットカードに付いている海外旅行保険の補償プランを確認しよう。

カード付帯保険には、旅行代金などを決済してはじめて適用される「利用付帯」と、そうした条件のない「自動付帯」があり、家族カードを持っている妻にも保険が付く。利用付帯はツアー代金か航空券の決済、現地での利用など、カードによって条件が異なるので要注意。また一部のグレードの高いカードを除き、カード付帯保険では子どもはカバーされない。

例えば三菱UFJニコスの「NICOS」ブランドの一般カードは利用付帯で、自分と家族カードを持っている妻が旅行中のケガで死亡すると、それぞれ2000万円の保険金が出る。他に死亡保障のある生命保険に入っている人であれば、ほぼ十分な金額とみていいだろう。

一方、病気やケガの治療費、留守家族が現地にかけつける渡航費などに充てられる「治療・救援費」は1人当たり100万円。公的医療保険が充実している日本人は甘く考えがちだが、ファイナンシャルプランナーの平野敦之さんは「100万円では心もとない。もっと手厚くしておいたほうがいい」と助言する。

北米やハワイは世界的にみても医療費が高い。病院の集中治療室(ICU)に入ると1日当たり100万~200万円かかり、手術費用も数百万円にのぼることがある。民間の救急車、日本語のできる通訳のコストもかさむ。

ジェイアイ傷害火災保険によると、2015年度にはハワイで遊泳中に溺れ、治療・救援費として1564万円の保険金が支払われた事故があった。救急車で病院のICUに運ばれ、急性腎不全、呼吸不全で5日間入院。留守家族が急きょ現地にかけつけたからだ。治療・救援費で300万円以上の保険金を出した事故は同社だけで年間77件にのぼっている。

補償項目と金額を自分で組み合わせる保険もある

カード付帯保険だけで足りない補償を付けたい場合、必要な補償項目と保険金額を比較的自由に設定できる「自由設計型」の海外旅行保険が適している。ジェイアイは一部カードの会員向けに、付帯保険の不足分を補う専用商品「クレカプラス」をネットで扱っており、治療・救援費の保険金額を「無制限」にするプランを薦めている。

NICOSカードの付帯保険をクレカプラスで補えば、ネットで一般的なパッケージ型の保険に入るのに比べて保険料を約6000円節約できる。旅行会社の店頭や空港などで契約するパッケージ型の保険に比べると、さらにお得になる。

このほか、自分なりの補償プランをつくるうえで注意すべきことがある。現地で誤って店舗の商品やホテルの備品を壊してしまったり、だれかにケガをさせたりした場合に出る「個人賠償責任」は付けておいたほうが安心。火災保険や自動車保険の特約で入っていても、一般に海外での事故では保険金が出ない契約になっているからだ。

シュノーケリングの事故は補償されるが、ピッケルを使う本格的な登山、スカイダイビングなどは別途そのための保険が必要になる。またテロによる死亡やケガは補償されるが、外務省の「海外安全ホームページ」をみて政情が不安定な地域への渡航は控えたい。最近ではメキシコの一部地域の危険レベルが引き上げられている。

(川鍋直彦)

[NIKKEIプラス1 2017年7月1日付]

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