スポーツ向けイヤホン 人気上位は全て無線式
今回は、e☆イヤホン秋葉原店でスポーツ向けイヤホンの売れ筋を取材した。スポーツイヤホンはワイヤレスタイプが主流になってきており、新作も大半がワイヤレスコーナーに並んでいる。同店広報の松田信行氏は「音質が良くなっているのはもちろん、バッテリーの持ちも良くなってきているので、新しいのを試してみようという需要もありますね。夏に向けて伸びています」と話す。近々の売れ筋ランキングは以下のとおりとなる。
1位●XT FREE、Skullcandy、1万2010円(税込み)
水分を含むと乾燥時よりも外れにくくなるイヤーピースを採用したBluetoothタイプで、約6時間の連続再生ができる。ドライバーは9mm径で、本体重量は16g。カラーバリエーションは4種類。
2位●Under Armour Sport Wireless、JBL、1万4463円(税込み)
約8時間の連続再生が可能なIPX5対応のBluetoothモデル。回転して耳に装着することで、装着性の高さと外れにくさを両立している。5.8mmドライバー採用で、本体重量は約18g。カラーは4種類。
3位●Rio 3、ERATO、9600円(税込み)
大きめのイヤーフックを採用した左右分離型のBlurtoothイヤホン。連続再生6時間のロングバッテリーを備え、ドライバーは14.2mm径となる。本体重量は計28g。カラーは5種類となる。
4位●X3 Wireless、JayBird、1万8230円(税込み)
「MYSOUND」アプリでサウンドをカスタマイズできるBluetoothモデルで、連続再生は8時間。6mmドライバーを採用し、本体重量は14.8gとなる。カラーバリエーションは4種類。
5位●RELAYS SPORT Wireless、SOL REPUBLIC、7040円(税込み)
本体重量約14gの軽さとIPX4等級の防水性を備えるBluetoothイヤホン。フル充電で約8時間再生できるほか、10分の急速充電で1時間の再生も可能。ドライバー径は非公開。カラーは3種類。
上位5モデルはすべてワイヤレスで、3位には左右独立型の「Rio 3」がランクインするなど、新しい潮流を感じさせる並びとなっていた。5位の「RELAYS SPORT Wireless」のように、カラーリングを含むファッション性が重視される動きも見られる。
[注]掲載している価格は2017年6月7日15:30時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見ていただきたい。
・主流は断然ワイヤレス。駆動時間に差があるので見比べて選ぼう
・フィット感だけでなく、外れにくさや着脱性もより重要になる
・防水防滴仕様は要チェック。小雨でも安心したいならIPX5以上がベター
装着性プラスαで売れる上位製品
1位となったのは、Skullcandyの「XT FREE」だ。2016年9月に調査したときにもランクインしていたモデルで、ロングヒットの理由に松田氏は実用性の高さを挙げる。
「フィンで耳の内側からしっかり固定するだけでなく、イヤーピースに水分が含まれると抵抗値が増す素材を使っていて、取れにくいのがポイントですね。加えて、装着していても外の音が聞こえるようなイヤーピースも付属しているので、何かと安心して使えるんですよね」
加えて、同社ならではのファッション性とメリハリの利いた音づくりがある。「スポーツイヤホンは全般的に重低音重視といいますか、リズムがズンと入ってくるような音づくりにする傾向がありますね。そのあたりのノウハウを蓄積しているメーカーですし、ブランド力も高いですから、相乗効果で売れていますね」
続く2位は、JBLの「Under Armour Sport Wireless」だ。こちらも約8時間の連続再生が可能なロングバッテリーと、運動時の外れにくさが武器になっている。「耳の穴の中で手前に軽く回転させることで外れにくくする構造になっていて、けっこう激しい運動でも気にせずにいられます」
そのうえで、IPX5等級の防水性も人気を後押ししている。「すべてのモデルがIP(International Protection)コードを公開しているわけではないですが、ここを比較して買われていくお客さんは多いですね。IPX5等級以上の製品ならば、小雨が降っていても安心して使えますから」
左右分離型で人気の「Rio 3」
3位は、ERATOの「Rio 3」。ランキング上位のなかで唯一の左右分離タイプだ。ドライバー径は14.2mmと大きい。内蔵バッテリーも大きめで、音楽なら連続再生6時間、通話なら連続8時間も駆動する。
「イヤホン端子を省略したiPhone 7が登場する前後から注目度が高まっている左右独立型ですが、比較してみるとバッテリーの持ちが短いものが多いんですね。Rio 3なら6時間使えるということで、普通のワイヤレスイヤホンとそん色ない持ちになっています。左右分離タイプとしては手ごろな価格(税込み9600円)も、防水性と同じく評価が高いですね。加えて、耳にしっかりと固定できる構造から安心感も高く、スポーツ用として安定して売れています」
4位は、JayBirdの「X3 Wireless」。ランキング上位のなかで最高額(税込み1万8230円)のモデルだが、連続8時間再生や防水性、装着性などの総合的に優れたスポーツイヤホンとして、男女問わず知られた存在になっているという。
なかでも魅力なのは、スマホアプリ「MYSOUND」との連携だとか。「アプリによって、低音域から高音域まで音の出方を細かくカスタマイズできるんですよね。ボーカルをじっくり聴きたいなら中音域を強めたり、リズム重視でいくなら低音をガンガン鳴らしたり。かなり幅広く動かせるうえ設定を保存できるので、指名買いされています」
ファッション性高い「RELAYS SPORT Wireless」
5位に入ったのは、SOL REPUBLICの「RELAYS SPORT Wireless」。本体重量が14gと軽いにもかかわらず、8時間再生とIPX4等級というバランスのとれた仕様になっている。ミントやレモンライムなどのパステル系のカラーバリエーションが女性に好評だという。
「スポーツイヤホンは意外とパステル系のカラーバリエーションがなくて、見た目でこれを選ぶ人もけっこういらっしゃいますね。色だけでなく、リモコン部分までデザイン的に突き詰めているので、そういう姿勢がファンを集めているのかもしれません」
はみ出し情報…海水対応のタフネスさで「NW-WS620」シリーズが注目株
スポーツイヤホンと関連して、今夏のヒット候補として松田氏が挙げるのが、ソニーのスポーツ向けウォークマン「NW-WS620」シリーズだ。IPX5/8等級の防水性能を備えており、海を含む水中でも楽しめるのが特徴。16GBもしくは4GBの内蔵メモリーを備えているが、Bluetooth接続でスマホなど外部機器の音楽も再生できる。16GBの「NW-WS625」は税込み2万390円、4GBの「NW-WS623」は税込み1万4990円だ。
「登場したばかりですが、泳ぎながら使えるということでインパクトが相当大きい製品です。音楽を楽しみながらできるスポーツに幅が広がるので、スポーツイヤホンとしても注目している人は多いと思いますよ」
1977年生まれ。建設業界と葬祭業界を経て2002年にライターへ転職し、テクニカル系の記事執筆と死の周辺の実情調査を進める。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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