将棋界に新スター、中村新王座は早大出身の秀才棋士

「大学は楽しかった。友人たちが3年生になり、就職活動を始めたとき、一瞬心が揺らぎました。将棋の世界は厳しく、勝てなければ、お金を稼ぐことはできないからです」(中村六段)。プロ棋士は四段からスタートして、勝てば九段まで昇段できる。むろん年功序列などなく、実力オンリーの世界だ。

「新人」の年収、300万~400万円

中村新王座

現在トップ棋士の羽生善治三冠の年間獲得賞金額は1億円前後。タイトル戦と呼ばれる対局で最高の賞金が出るのは「竜王」戦で4320万円だ。人気棋士は対局のほか、各種イベントや勉強会に引っ張りだこになるため、収入はさらに増える。今回、29連勝した藤井四段はまだ中学3年生。新人としては破格の年収になりそうだ。「親御さんがちゃんと管理するでしょうが、以前は大金を手にして色々あった子もいました」(日本将棋連盟関係者)という。

プロ棋士の年収は、四段クラスで300万~400万円といわれている。これは一流企業の若手社員とほぼ同じ水準だ。中村六段は「年収はバラバラだから分かりません。ただ、ベスト20クラスの棋士でも獲得金額は1千万円を超えるぐらいではないでしょうか。プロ野球などスポーツ選手と比較すると、全然高くないですね」と話す。

しかし、スポーツ選手と違い、プロ棋士は高齢者になっても続けられる。先日引退した加藤一二三・九段は77歳だ。ただ「負け続けると、30代でも引退に追い込まれます」と中村六段。やはり勝負の世界は厳しい。

ところでプロ棋士の日常は忙しいのだろうか。中村六段は「これも勝つか負けるかですね。強い棋士だと、年間90以上の対局をこなします。タイトル戦は2日にわたるケースもあるので、365日の3分の1近くを対局に費やすわけです。しかし、平均すると年間で40局ぐらいではないですか。まあ、週に1度ぐらい対局し、それ以外の日はイベントとか、勉強会に出たりとか、後はひたすら将棋の勉強ですね」という。

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