がん告知を受けた妻が語る 夫にしてほしい7つのこと

日経Gooday

卵巣がんに罹患したがんサバイバー、太田由紀子さんが、「妻ががんになったとき、夫ができること」についてお伝えします(c)wang Tom-123rf
卵巣がんに罹患したがんサバイバー、太田由紀子さんが、「妻ががんになったとき、夫ができること」についてお伝えします(c)wang Tom-123rf
日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス

フリーアナウンサーの小林麻央さんの乳がん闘病を支えた夫で歌舞伎俳優の市川海老蔵さん。こうした姿を通じて「自分の妻ががんになったら……」と想像した方も少なくないのではないでしょうか。今や、日本人の約半分が何らかのがんにかかる時代です。たとえ自分が免れても、パートナーががんにかかる可能性はあります。もしそれが現実になったら、自分はどう行動すればいいのか。2児の母であり、産業カウンセラーとして活躍する中、卵巣がんに罹患し治療を受けたがんサバイバー、太田由紀子さんが、自身の体験を基に「妻ががんになったとき、夫ができること」についてお伝えします。

◇  ◇  ◇

私は2015年にがんに罹患し、手術・抗がん治療を受けた卵巣がんサバイバーです。人間ドックで腫瘍が見つかりいくつかの検査後、がん(かもしれない)との告知を受けた私はとてもショックで、頭が真っ白になりました。怖くて悲しくて毎晩泣いてばかりの私に、夫はそっと寄り添ってくれました。

夫は私が思っていたより、肝が据わっていたんだな、と思いました。しっかり対応してくれることに驚くとともに、とても安心し頼りにできました。

でも抗がん治療後6カ月くらいしてから、夫に告知された当時のことを聞いてみたら、夫はぼそっと「夢のようだった」と答えました。夢の中にいたようで、本当にあったこととは思えない、よく思い出せないと言うのです。

私はその言葉を聞いて、夫が私と同じように、もしくは私以上に、私の病気や治療についてショックを受けていたことを知りました。そして、夫が私を失くすかもしれない恐怖や悲しみを抱えながらも、私や家族を支え続けていたことに気づき、心から感謝しました。

うちの妻は、がんにならない

そう思っている方が多いと思います。そんなことなど考えてもいない人がほとんどかもしれません。でも、日本人の2人に1人ががんになる時代。がんになる確率は歳をとるごとに上がっていきます。

そんな重い病気の人を支えることなど僕にはできないと夫が投げ出したら、妻はどこにもすがることができなくなり、病気にも自分にも負けてしまいます。

そこで、この記事では、身をもって経験した立場から、がんになった妻をどう支えたらいいかについて、ご提案します。同時に、ここで書く内容が、今治療中の奥様を支えている皆さんにとってのエールになればと思っています。

がん(かもしれない)告知を受けたとき

私の腫瘍が見つかったのは、2015年2月末。人間ドックの超音波検査のときでした。検査医師から、大きな腫瘍があるので、すぐに近くの病院を受診してくださいと紹介状を渡され、途方にくれました。主人にもラインで連絡しました。でもこの時は腫瘍の正体が分かっていなかったので、そんなに怖くはありませんでした。

しかし、MRI検査の画像を見ながら、医師に腫瘍が悪性かもしれないと言われたときは、頭が真っ白になり、ショックで心がズタズタになりました。

どうして私が、がんに……。

がんになったことへの疑問とこれまでの後悔、恐怖と悲しみが押し寄せました。私は死んでしまうの? 一番心配なのは、家族のことでした。

病院の個室で泣くだけ泣いて、帰宅しました。子どもたちに心配をかけたくなかったので、笑顔を無理に作りましたが、心は悲しみと恐怖で押しつぶされそうでした。

医師の言葉を聞く前と聞いた後では、すべてのものが違って見えました。この当たり前の日常が無くなってしまうかもしれない。そう考えるだけで、すべてのものがかけがえのないものに見えました。

帰宅した夫と相談し、まだ悪性と決まったわけではないから、子どもたちに話すのはやめようと決めました。

こんなとき、夫に求めることはどんなことか分かりますか?

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