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がん告知を受けた妻が語る 夫にしてほしい7つのこと

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス

フリーアナウンサーの小林麻央さんの乳がん闘病を支えた夫で歌舞伎俳優の市川海老蔵さん。こうした姿を通じて「自分の妻ががんになったら……」と想像した方も少なくないのではないでしょうか。今や、日本人の約半分が何らかのがんにかかる時代です。たとえ自分が免れても、パートナーががんにかかる可能性はあります。もしそれが現実になったら、自分はどう行動すればいいのか。2児の母であり、産業カウンセラーとして活躍する中、卵巣がんに罹患し治療を受けたがんサバイバー、太田由紀子さんが、自身の体験を基に「妻ががんになったとき、夫ができること」についてお伝えします。

◇  ◇  ◇

私は2015年にがんに罹患し、手術・抗がん治療を受けた卵巣がんサバイバーです。人間ドックで腫瘍が見つかりいくつかの検査後、がん(かもしれない)との告知を受けた私はとてもショックで、頭が真っ白になりました。怖くて悲しくて毎晩泣いてばかりの私に、夫はそっと寄り添ってくれました。

夫は私が思っていたより、肝が据わっていたんだな、と思いました。しっかり対応してくれることに驚くとともに、とても安心し頼りにできました。

でも抗がん治療後6カ月くらいしてから、夫に告知された当時のことを聞いてみたら、夫はぼそっと「夢のようだった」と答えました。夢の中にいたようで、本当にあったこととは思えない、よく思い出せないと言うのです。

私はその言葉を聞いて、夫が私と同じように、もしくは私以上に、私の病気や治療についてショックを受けていたことを知りました。そして、夫が私を失くすかもしれない恐怖や悲しみを抱えながらも、私や家族を支え続けていたことに気づき、心から感謝しました。

うちの妻は、がんにならない

そう思っている方が多いと思います。そんなことなど考えてもいない人がほとんどかもしれません。でも、日本人の2人に1人ががんになる時代。がんになる確率は歳をとるごとに上がっていきます。

そんな重い病気の人を支えることなど僕にはできないと夫が投げ出したら、妻はどこにもすがることができなくなり、病気にも自分にも負けてしまいます。

そこで、この記事では、身をもって経験した立場から、がんになった妻をどう支えたらいいかについて、ご提案します。同時に、ここで書く内容が、今治療中の奥様を支えている皆さんにとってのエールになればと思っています。

がん(かもしれない)告知を受けたとき

私の腫瘍が見つかったのは、2015年2月末。人間ドックの超音波検査のときでした。検査医師から、大きな腫瘍があるので、すぐに近くの病院を受診してくださいと紹介状を渡され、途方にくれました。主人にもラインで連絡しました。でもこの時は腫瘍の正体が分かっていなかったので、そんなに怖くはありませんでした。

しかし、MRI検査の画像を見ながら、医師に腫瘍が悪性かもしれないと言われたときは、頭が真っ白になり、ショックで心がズタズタになりました。

どうして私が、がんに……。

がんになったことへの疑問とこれまでの後悔、恐怖と悲しみが押し寄せました。私は死んでしまうの? 一番心配なのは、家族のことでした。

病院の個室で泣くだけ泣いて、帰宅しました。子どもたちに心配をかけたくなかったので、笑顔を無理に作りましたが、心は悲しみと恐怖で押しつぶされそうでした。

医師の言葉を聞く前と聞いた後では、すべてのものが違って見えました。この当たり前の日常が無くなってしまうかもしれない。そう考えるだけで、すべてのものがかけがえのないものに見えました。

帰宅した夫と相談し、まだ悪性と決まったわけではないから、子どもたちに話すのはやめようと決めました。

こんなとき、夫に求めることはどんなことか分かりますか?

相談をして、妻とこれからのことを決めたところから、運命共同体です。自分ががん告知を受けたらどんな不安を感じるか、妻になったつもりで考えてみてください。これからずっと、妻は夫とともに病気に立ち向かうのです。覚悟を決めてください。夫婦の在り方が試されるときです。

この一大事をうまく切り抜ければ結束が固くなりますが、うまく行かないで夫婦のバランスが崩れると、離婚の可能性もあります。悲しいことに病気を機に離婚を決める夫婦は多いのです。

妻の笑顔は、ありったけの強がりです。笑っていても心は泣いていると思ってください。大好きな家族の前で、泣きたくありません。自分が悲しむことより、家族が悲しむことのほうが、妻(母)は辛いのです。笑顔を作る妻を応援してください。

1. 「よく頑張っているね」と言ってほしい

しかし応援と言っても、「頑張れ!」ではなく、「よく頑張っているね」と、その行動を認め、ねぎらってください。一生懸命頑張っている人に、もっと頑張れと言うのは酷です。

2. 夜、ベッドでは泣かせてください

子どもの前では泣けません。次の検査まで、もしくは次の検査結果が出るまで、妻は家族の中では、明るい母を演じ続けます。その分、一人になったときに泣きます。私はシャワーを浴びるとき(声が聞こえない)やベッドで泣くことが多かったです。涙も気持ちを発散させる効果があり、次のステップに進むために必要です。そんなときは面倒くさがらずに一緒にいてほしいのです。

3. 寄り添って、一人にしないでほしい

がんという爆弾を抱えた妻は、とてもナーバス、ネガティブになっています。一人になることを一番怖がっています。混乱して、どんな言葉も届かない、もしくは聞きたくないと心を閉ざす可能性もあります。逆ギレされる場合もあるでしょう。

例えば、「私、どうしてがんになったの?」と聞かれ、夫が「分からないよ!」と答えたとします。妻は「そんな冷たい言い方しないで、他人事なのね」とキレるかもしれません。でもそれはすべて不安で寂しいからだと考えてください。じゃあどんな声掛けをしたらいいでしょう。

前述した夫の気持ちを推測してみると、おそらくショックを受け動揺しているのは夫も同じだと思います。妻に聞かれてもどう答えてあげたらいいのか分からない、どうしよう……と泣き出したい気持ちも同じかもしれません。

4. 家族も第2の患者、一緒に歩いていきましょう

治療が終わった今の私が言えることは、夫も本音を言ったほうがいいような気がします。自分もショックを受けてどうしたらいいか分からないけれど、一緒に考え進んでいこう。そう言ってもらえたら、納得するような気がします。

「大丈夫、一緒にいるから」と寄り添ってもらえたら、私一人きりではないんだと、安心して眠れます。できれば、ぎゅっと抱きしめてあげてください。

治療方法の決め方、医師との付き合い方

病院で様々な検査の結果を受けて、医師より治療方法の提案がされます。これまで何か病気やけがをすると、病院の言われるままに治療や投薬を受けていませんでしたか? 私もそうでしたので、これまで病院や医師の決定に疑問を持ったことはありませんでした。

しかし、がんの治療になるとそうも言っていられなくなります。まず、医師の話は専門用語が多くさっぱり分かりません。「分かりましたか?」と聞かれても、何を聞いていいかが分からない。情けない状態になります。帰宅後、家族に聞かれても説明ができないのです。

5. できれば病院は(時々でもいいから)一緒に受診してほしい

初診時の医師が主治医になる場合も多いので、できれば一緒に受診できると安心です。医師の話を一緒に聞くことで、病気の情報共有、気持ちの共有ができます。時々でもいいと思います。検査結果を聞くときや、治療方法を決めるときはできるだけ同行してください。

私のがん友(がんのお友達)は、手術方法を医師に提示され、分からないまま同意して、帰宅した夫に言ったら「君が決めたんだろう」と投げやりに言われ、号泣したそうです。がんになっているだけでいっぱいいっぱいなのに、それ以外のことで悲しい思いはさせてほしくないと思いました。

6. 情報に惑わされないで

自分のがんについて、怖くて知りたくないと思う人と、詳しく知って自分の置かれた状況を冷静に判断したいと思う人と分かれると思います。私は後者でしたが、調べれば調べるほど、情報の渦の中に巻き込まれ、正しい判断が難しくなります。

試しにインターネットで「がん・治療」と検索してみてください。その多岐にわたる治療方法に面食らいます。

がんになっただけでショックなのに、がん患者のメンタルに配慮のないサイトも多く、悶々とすることも多いものです。

そんな情報に疲れた妻をいたわってあげてください。変な情報に惑わされるな!と言いたくなる気持ちはぐっと抑えて、一緒に妻の罹患したがんの勉強をして、治療方法を考えてほしいと思います。セカンドオピニオンも然りです。

7. 患者会を探してみる

がん患者は、自分と同じ部位のがんになった患者やサバイバーの話を聞くと落ち着きます。同じがんのサバイバーが元気にしている姿を見たり、話を聞くことで安心し、未来像が描けるのです。がんの患者会はたくさんあるので探してみてください。

その際、特定の医師の治療方法に偏っている団体や宗教的要素があるところは避けたほうが無難です。そんな判断も、妻より夫が冷静に、してあげたほうがいいかもしれません。

太田由紀子
 産業カウンセラー/フリーライター。出版社、放送局勤務後、産業カウンセラーの資格を取得。傾聴でカウンセリングを行う。日経ビジネスオンライン「メンタルリスク最前線」や日経ウーマンオンライン「働き女子のメンタルヘルス」コラム執筆(共に終了)。日経ビジネスムック『課長塾 部下育成の流儀』にも登場。

[日経Gooday 2016年7月5日付記事を再構成]

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