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立川談笑、らくご「虎の穴」

死後の世界を行き来? 沖縄・読谷村のコワ~い浜辺 立川笑二

2017/7/2

PIXTA

 師匠と兄弟子の吉笑とともにリレー形式で連載させていただいている、まくら投げ企画。24周目。今回の師匠からのお題は「海」。

 私の父には、顔がそっくりの3歳年下の弟がいる。私の叔父にあたるその人は、高校を卒業してすぐに東京に働きに出たそうで、私が叔父と会えるのは年に数回程度、叔父が沖縄に帰ってきたときだけだった。

 私の実家は沖縄県の読谷村にある。そこは父や叔父が生まれ育った土地でもあり、叔父は沖縄に帰ってくると、私の実家に父を訪ねて泊まりに来ていた。

高座に上がる立川笑二さん(東京都武蔵野市) 

 叔父は甥っ子である、私たち(男3人兄弟。私は次男)を可愛がってくれていて、泊まりに来たときはいつもくだらない話を、私たちが寝るまで延々としてくれた。

 ムカデにおしっこをかけて以来「あそこ」がムカデみたいな形になったという話や、米軍基地に入って缶詰を盗もうとしたらアメリカ兵に見つかってしまい、鉄砲で撃たれたが、持っていた缶詰でガードしたという話など。くだらない話をしては私たちを笑わせておいて「おじさん、その話、うそでしょう」と指摘すると、「なーんてね」と言いながらおどけて、すべて作り話だというネタばらしをしてくれる叔父さんの話が大好きだった。

 今回は私が小学生だったころに、叔父から聞いた「海」にまつわる少し不思議なお話。24投目!えいっ!

 叔父が若かったころの話。

 ある年の夏、叔父が近所を散歩していると、ひと気のない浜辺をみつけた。叔父はナマコが嫌いだという理由で普段から海に入って泳ぐことをしていなかったが、その海にはナマコがいなかったため、気持ちよく泳ぐことができた。

 その日以来、叔父はこの海が大変に気に入って連日のように行っては泳いでいたらしい。

 そして、しばらくその浜辺に通っているうちに、そこは地元の人間もめったに来ない場所だというのが分かった。叔父は、その場所を仲の良い友だちに教え、お酒を飲んだり、たばこを吸ったりするようになったそうだ。

 その年の夏も終わりを迎えようかというころ。いつものように、6人ほどの友だちとお酒を飲みながら遊んでいた夜。1人の友達が、酔っ払った状態で海に入って泳ぎ出した。

 「危ないから戻ってこい」と、みなで声をかけても「気持ちいいぞ」と返事をされるだけで、まるで請け合わない。それどころか、ゆっくりと沖へ向かって泳ぎ続ける友だちに、不安を覚えた叔父は声をかけ続けたそうだ。

 「危ないぞー、戻ってこーい」

 「気持ちいいぞー」

 「遠くへ行くなー」

 「お前たちも来いよー」

 「大丈夫かー」

 「早く来いよー」

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