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天才集団がチームで事件を解決 『スコーピオン』2位

2017年5月 海外ドラマ月間レンタルランキング

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NIKKEI STYLE

海外ドラマの人気ジャンルに「チーム」ものがある。ひとつの能力に秀でたキャラクターが集結して、それぞれの力をあわせて事件を解決する作品だ。TSUTAYA月間ランキングのトップ10に初登場した『SCORPION/スコーピオン』(2位)と『ライブラリアンズ 第一章 失われた秘宝』(5位)は、いずれも天才たちがチームを組んで活躍するストーリー。視聴者は自分のお気に入りのキャラクターを見つけて感情移入して楽しむことができ、それが長く愛される作品の魅力にもつながっている。

まず、2位に入った『SCORPION/スコーピオン』はトータルIQ700の天才集団が最新のテクノロジーと頭脳を駆使して、難事件を解決する犯罪捜査ドラマ。IQ197を誇るリーダー、問題児の行動心理学者、機械工学の天才、人間計算機の数学者からなる頭脳明晰な天才4人が活躍する。シーズン2では、墜落する人工衛星の軌道修正のため気球で上空へ飛び立つかと思うと、国連に潜入して悪徳大使を捕まえたり、さらには決壊寸前のダムから町を救うなど縦横無尽の活躍。その舞台もアメリカ国内にとどまらず、キューバ、カザフスタン、南極やアフリカと世界を股に掛けて活動する。全米では2014年にCBSで放送がスタートして、シーズン4の制作も決まっているロングラン人気作だ。

一方、5位の『ライブラリアンズ 第一章 失われた秘宝』は、盗みの天才、数学の天才、歴史の天才、対テロ組織の大佐といった選ばれし者がチームを組んで、邪悪な力から世界を守るアクション・アドベンチャー。もともとはノア・ワイリー主演によるインディ・ジョーンズ風のテレビ映画3部作だったが、好評を受けて14年から米ケーブル局TNTでドラマシリーズ化された。ノア・ワイリーはチームを導くリーダー役に回り、天才集団によるチーム戦へとスケールアップした。

この2作に共通しているのは、天才たちがチームを組んで事件の解決にあたること。TSUTAYA レンタルユニット 映像チーム海外ドラマ担当の中山知美氏は「チームものは海外ドラマの人気ジャンルのひとつで、その系譜にある最新の話題作といえます」と位置づけ、日本で好まれる作風だとみている。「レンタルでやはり人気の高いアメコミ映画『アベンジャーズ』シリーズもチームもの。日本の特撮テレビ番組でも戦隊ヒーローものは人気です。歴史をさかのぼると、その元祖は日本映画の『七人の侍』かもしれません。キャラクター個々の強みを生かし、逆に弱みをチームで補いながら困難に挑む作風は、集団行動を重視する日本人が好きなパターンなのでしょうね」

サブキャラクターにも焦点

ひとつの能力に秀でたキャラクターが集結して事件を解決する海外ドラマは、過去にも「CSI」シリーズ、『クリミナル・マインド/FBI vs. 異常犯罪』『Hawaii Five-0』『レバレッジ』『エージェント・オブ・シールド』などヒット作が数多くある。

中山氏は、その背景について「ドラマシリーズは長期にわたって放映するので、チームものは主役以外のサブキャラクターにも焦点を当てやすい。視聴者からすると、自分のお気に入りのキャラクターに感情移入して楽しめるので、結果、長く愛される作品になります」と説明する。

海外ドラマではアメコミの映像化が盛んだが、最近は『レジェンド・オブ・トゥモロー』や『マーベル/ディフェンダーズ』のように、ヒーローが集結してチームを組んで巨悪と戦うパターンが増えている。従来人気の高い犯罪捜査からブームとなっているアメコミまで、様々なジャンルで今後もチームものの話題作が生まれそうだ。

(日経エンタテインメント! 小川仁志)

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